島へ行くバスは空つぽ初嵐 宮田公子 蜑路地の軒の底さを夏燕 傾ける納屋にかぶさり凌霄花 夏帽子杭にかかりしまま三日 半時の遊船なれど手を振つて 塩川孝治 鶏の声の細れる残暑かな 町田 良 みしみしと雷雲の押し寄せて来る 山内裕子 おくずかけずんだ作りてお盆かな 幕田かれん
雑詠(2024年12月号)
コメントを残す
島へ行くバスは空つぽ初嵐 宮田公子 蜑路地の軒の底さを夏燕 傾ける納屋にかぶさり凌霄花 夏帽子杭にかかりしまま三日 半時の遊船なれど手を振つて 塩川孝治 鶏の声の細れる残暑かな 町田 良 みしみしと雷雲の押し寄せて来る 山内裕子 おくずかけずんだ作りてお盆かな 幕田かれん
梅雨烏かあ北一輝顕彰碑 田中温子 剝落の仁王の像や梅雨深し 青胡桃やうやく雨の上がりさう 蛇の目と五十センチの間合ひなる 帰省して小中高と連れ回し 矢沢六平 夏空も分かち大陸分水嶺 今井舞々 畳みたるごと噴水の落ちにけり 田中 香 岩かどにかくれあらはれ三十三才 藤永貴之
しばらくは掃くこと勿れ沙羅の花 根岸美紀子 緑蔭の玉川上水橋いくつ 花楝花殻なるも実となるも 雨上り紫陽花日和とはなりぬ 職人の声が屋根より五月晴 前田なな 建具屋の御道具棚の金魚かな 足立心一 花びらの豊かに薄し寒牡丹 山本道子 無花果のひそかに太り梅雨深し 町田 良
近づいてゆくうれしさに桐の花 田中 香 花桐をマイクロバスで潜りけり 高原へカーブ幾つも桐の花 桐の花高しダム湖に映らざる 月皓々花烏瓜また皓々 常松ひろし 忽然と屋根より高く夏の蝶 松島盛夫 銅門常盤木門と城若葉 飯田美恵子 沢風にあさぎまだらの浮き憩ふ 藤永貴之
花筏淵に身動きとれぬまま 北村武子 手の平に大きく開き落椿 湿原の一隅を占め諸葛菜 全身であゆみ初む児に風光る 中の島へ小舟を遣りて緑摘む 柳沢木菟 春日傘片手に母を支へつつ 梅岡礼子 爪立ちて女踊は腰高く 信野伸子 春惜みながら麓へ下る径 小沢藪柑子