課題句(2019年4月号)

「梨の花」 石神 主水選

平らかに枝張り広げ梨の花		岩本桂子
納屋よりのラヂオ梨の花に風

そこ〳〵に蜂も飛びゐる梨花の園	藤永貴之
梨咲くや遺骨がはりの石ひとつ		望月公美子
一村は同姓なりし梨の花		鐘居寿子
音楽大学経済大学梨の花		本井英

課題句(2019年3月号)

奥歯もて頭ㇻを嚙んで目刺食ぶ			櫻井 茂之
頰刺のあんぐり開けし口燃ゆる
目刺干されたり猫背の一尾あり			黒田 冥柯
目刺焼く煙朝市盛り上げて			村田うさぎ
早夕餉会話少なく目刺焼く			園部 光代
海ちかく住まひ目刺もたまに焼く		本井  英

課題句(2019年1月号)

「若水」            原 昌平 選

蓋とれば星を置いたる若井かな    藤永貴之
若水の底に沈める餅ヒかな 
僧堂の闇深くして若井汲む      小沢藪柑子
汲み上げし若水空を映したる     梅岡礼子
若水で点てたるお薄正客へ      草野 鞠
若水に息災の顔揃ひける       前田なな

課題句(2018年12月号)

「マスク」          坂 廣子選
                                                      
案ずるに及ばずと云ふマスクの眉   青木百舌鳥
マスクとり鼻よりたたみくるくるす
匿名となつたつもりのマスクかな   児玉和子
マスクして目の優しさの滲み出る   辻 梓渕
点滴を点検しをるマスクの目     本井 英
マスクして小さく人を隔てをり        伊藤八千代

課題句(2018年11月号)

「山茶花」       田中温子選 

余生なほ山茶花垣の内にかな       伊藤八千代
山茶花の咲きつぎて散る母の忌に
山茶花や水音清き肥後城下

山茶花掃くや何も手につかぬ日に     梅岡礼子
公園の山茶花日和子と犬と        町田 良
山茶花に無き咲き始め咲き終り      辻 梓渕
山茶花に谷戸径はやゝ登るかな      本井 英