課題句(2022年1月号)

課題句「寒玉子」           岩本桂子 選
                                                      
まだ生きんまだ句を詠まん寒卵		前田なな
熨斗箱に病気見舞の寒卵

あるがまま生きて今朝あり寒玉子		金子由美子
琺瑯の白を透かすや寒玉子		田中 香
手触りの木綿に似たり寒玉子		伊藤八千代
寒卵米寿の父は息災に		冨田いづみ

課題句(2021年12月号)

課題句「屏風」     山内裕子 選


薬包紙枕屏風の暗がりに		梅岡礼子
ジグザグに屏風の源氏物語

銀泥の花沈みこむ古屏風		田中温子
虚子の句の枕屏風に逝かれけり		岩本桂子
ひとり居の屏風近くに寄せてみし		冨田いづみ
灯火のゆらと影差す屏風かな		磯田和子

課題句(2021年11月号)

「切干」  浅野幸枝 選

切干を干して留守らし日陰りて		岩本桂子
不揃の大根切干ふぞろひに    

切干や谷戸の日差のすぐ陰る		児玉和子
切干に「小さな旅」のメロディーが		前北かおる
切干の日の温もりをかきまぜる		北村武子
切干の干しはじめ目にしみる白		本井 英

課題句(2021年10月号)

「秋の川」       杉原祐之 選

流されもせず木橋あり秋の川		小沢藪柑子
森の中からあらはれて秋の川

とぷたぷとカヌー舫ひて秋の川		冨田いづみ
夕映の小さき鉄橋秋の川		山内繭彦
とてつもなく低きを流れ秋の川		本井英
十竿も挿さざる渡し秋の川		山口照男

課題句(2021年9月号)

課題句「夜学」        永田泰三 選
夜学教師敬語を使ふ教えぶり		山内繭彦
餡パンを急ぎのみこみ夜学生

夜学師の灯し開けおく通用門		前田なな
作業着に油の匂ひ夜学生		近藤作子
警備員をれば挨拶夜学の子		山内裕子
夜学子にときどき会社から電話		小沢藪柑子