課題句」カテゴリーアーカイブ

課題句(2024年3月号)

「紅梅」   足立心一選
段丘に濃きも薄きも梅の紅		武居玲子
青空へ撒き散らすやう濃紅梅

雲厚き日や紅梅の匂ひたる		原 昇平
紅梅やぽちりぽちりと落花置き		本井 英
画室には墨と紅梅匂ふかな		岡﨑裕子
荷を解き湯宿の庭の薄紅梅		江本由紀子

課題句(2024年1月号)

人日の机ひろびろありにけり		天明さえ
人日の畑へ少しの菜と草を

人日の朝に重たきニュースかな		釜田眞吾
人の日となりて曜日を確かめぬ		原 昇平
人日や子も孫達も恙無く		牧野伴枝
人の日や粥に玉子の一人居の		羽重田民江

課題句(2023年12月号)

課題句「咳」  原 三佳 選

看取りの娘咳こぼしつつ足早に		岩本桂子
星きれいと戻りつ咳を二つ三つ      

黒板を消し窓を閉め咳ひとつ		田中 香
咳ひとつ闇に吸はれてしまひけり	財前伸子
鉤の手に曲がりし書架の奥の咳		本井 英
老医師も患者も共に咳きにけり		近藤和男

課題句(2023年11月号)

課題句「柊の花」       石本美穂 選

夕まぐれ柊の香に戻りたる		三上朋子
三味線の音や柊の花こぼす
柊の花や玉の湯営業中		飯田美恵子
つまみあげてのひらにのせ花柊		天明さえ
柊の花門柱は大谷石			児玉和子
割烹や柊の花客を寄せ		本井 英

課題句(2023年10月号)

課題句「新松子」       田中金太郎選 

新松子磯馴れの松も減りにける		児玉和子
東海道品川宿の新松子   
松陰の墓所に青々新松子		山口照男
新松子灯台までの岬みち		井上基
手の中にそっと沈めん新松子		磯貝三枝子
新松子街道筋の黒塀に		大山みち子