課題句(2021年5月号)

課題句「袋角」     山内繭彦 選 

袋角風にまぶたを閉ぢにけり		前北かおる
しづかなる空に堂塔袋角
袋角心許無くかたまりて		天明さえ
袋角遠き目をして過りたり		磯田和子
袋角たんこぶほどが生え初めぬ		浅野幸枝
江戸三の夕べしづけし袋角		本井 英

課題句(2021年4月号)

戦火くぐり来し黐の木の蘖ゆる		村田うさぎ
蘖えて風禍の神の大銀杏 
蘖ゆる柞にひらけ山の空		青木百舌鳥
アボカドの切れば切るほどひこばゆる	坂 廣子
大銀杏倒れ失せしに蘖える		本井 英
東京は銀杏の街ひこばえて		前北かおる

課題句(2021年3月号)

課題句「立子忌」       小野こゆき 選

立子忌や暮しの中に立子の句		原田淳子
花木の名鳥の名覚え立子の忌
一文字を思ひ巡らす立子の忌

立子忌の巴里に和服の巴里ジヱンヌ	山口照男
立子忌の帰りに寄りて鳩サブレ―		梅岡礼子
はからずも今日立子忌の一句会		宮田公子
父を敬ひ父に愛され立子の忌		冨田いづみ

課題句(2021年2月)

「クロッカス」      前田なな 選

町あげてクロッカス祭にぎやかに		礒貝三枝子 
城めぐる広場を埋めしクロッカス

クロッカス脚立を買つてきたりけり		前北かおる
地なるもの先づクロッカス噴きにけり	藤永貴之
クロッカス遠く遠くに雪崩音		山口照男
日時計は止まりしまゝにクロッカス		小林一泊

課題句(2021年1月号)

課題句「万両」           児玉和子 選 

万両や蔵に用事の多かりし		近藤作子 
万両や風呂敷包み抱へ来る 

万両や雨降りがちの城下町		山内裕子 
万両や口調明るく悩み深く		杉原祐之 
蹲踞に屈み万両目の高さ		三上朋子 
万両や母の教へを守りたる		田中温子