課題句(2020年9月号)

課題句「蟷螂」      梅岡礼子 選

蟷螂のからくりめける身の構へ		磯田和子
いぼむしり腹引き摺りて舗装路に

蟷螂の図体重く飛びにけり		飯田美恵子
蟷螂や三角形の組み合わせ		櫻井耕一
いぼむしりにも鼻筋と呼べるもの		本井 英
見定めて蟷螂つひに草へ跳ぶ		冨田いづみ

課題句(2020年8月号)

課題句「流星」         信野伸子 選

星とんで言葉一つをのみ込みし		岩本桂子
流星暗き蟹座の辺りより

億万を終はらむとして流星に		山口照男
満目の星々のなか流れ星		藤永貴之
島畑の空の広さを流れ星		本井 英
山峡の空の深さや星流る		山内裕子

課題句(2020年7月号)

課題句「トマト」       藤野 澪 選

とりどりの色かたちしてみなトマト		天明さえ
もてなしの盥に冷やすトマトかな
初なりのトマト大きくいびつかな		武田きよみ
濡縁に一気に喰らふトマトかな		田中温子
葉の枯れて実の赤残るトマト畑		磯田和子
蔕つまみ口に入れたるプチトマト		永田泰三

課題句(2020年6月号)

課題句 「蝸牛」       山本正紀選

集音機ひろふ蝸牛の咀嚼音		藤永貴之
竹の皮もろとも落ちぬかたつむり

ででむしののび出し殻の空すけて	岩本桂子
ままごとのの朝餉終はりぬ蝸牛		田中 香
嬰の爪ほどの蝸牛は真珠色		山本道子
でゞむしの雨には角を仕舞はずに	馬場紘二

課題句(2020年5月号)

課題句「鯉幟」          川瀬しはす 選

歓声に風に泳ぐや鯉幟		財前伸子
黒目がちことに緋色の鯉幟

降ろされてたたまれてゐる鯉幟		牧野伴枝
鯉幟舞ふ綱が張り竿が鳴り		青木百舌鳥
鯉幟の竿立ててをる法被かな		児玉和子
捩ぢれながら尾は腹を追ふ五月鯉	本井 英
※「選のあとのあとで  川瀬しはす」はこちら。