課題句(2021年10月号)

「秋の川」       杉原祐之 選

流されもせず木橋あり秋の川		小沢藪柑子
森の中からあらはれて秋の川

とぷたぷとカヌー舫ひて秋の川		冨田いづみ
夕映の小さき鉄橋秋の川		山内繭彦
とてつもなく低きを流れ秋の川		本井英
十竿も挿さざる渡し秋の川		山口照男

課題句(2021年9月号)

課題句「夜学」        永田泰三 選
夜学教師敬語を使ふ教えぶり		山内繭彦
餡パンを急ぎのみこみ夜学生

夜学師の灯し開けおく通用門		前田なな
作業着に油の匂ひ夜学生		近藤作子
警備員をれば挨拶夜学の子		山内裕子
夜学子にときどき会社から電話		小沢藪柑子

課題句(2021年8月号)

課題句 「稲の花」       前北かおる 選

どこからも見ゆる月山稲の花		小沢藪柑子
バス停に迎への車稲の花

中尊寺坂を下れば稲の		飯田美恵子
稲の花咲くともなしに咲き終り		町田 良
稲の花戻りて井戸に足洗ふ		岩本桂子
赤壁と呼ばれて旧家稲の花		本井 英

課題句(2021年7月号)

課題句 「百合」         山本道子選 
  
磨崖仏の目鼻の欠けて崖の百合		園部光代
百合の花トランペットのドレミファソ

山百合や三角屋根の音楽堂		前田なな
山百合をバケツに漬けて道の駅		町田 良
日の少し差して山百合匂ひくる		山内裕子
ご別荘の百合の盛りの車寄せ		本井 英

課題句(2021年6月号)

課題句「えごの花」          近藤作子 選

えご真白明治の洋館車寄せ		津田祥子
一枝を日当る方へえごの花
考(チチ)の名の陶の表札えごの花	前田なな
えごの花ここに実習生として		前北かおる
えごの散るくるくるくると水面まで		児玉和子
えごの花雫もろとも落ちさうに		藤永貴之