課題句(2020年7月号)

課題句「トマト」       藤野 澪 選

とりどりの色かたちしてみなトマト		天明さえ
もてなしの盥に冷やすトマトかな
初なりのトマト大きくいびつかな		武田きよみ
濡縁に一気に喰らふトマトかな		田中温子
葉の枯れて実の赤残るトマト畑		磯田和子
蔕つまみ口に入れたるプチトマト		永田泰三

課題句(2020年6月号)

課題句 「蝸牛」       山本正紀選

集音機ひろふ蝸牛の咀嚼音		藤永貴之
竹の皮もろとも落ちぬかたつむり

ででむしののび出し殻の空すけて	岩本桂子
ままごとのの朝餉終はりぬ蝸牛		田中 香
嬰の爪ほどの蝸牛は真珠色		山本道子
でゞむしの雨には角を仕舞はずに	馬場紘二

課題句(2020年5月号)

課題句「鯉幟」          川瀬しはす 選

歓声に風に泳ぐや鯉幟		財前伸子
黒目がちことに緋色の鯉幟

降ろされてたたまれてゐる鯉幟		牧野伴枝
鯉幟舞ふ綱が張り竿が鳴り		青木百舌鳥
鯉幟の竿立ててをる法被かな		児玉和子
捩ぢれながら尾は腹を追ふ五月鯉	本井 英
※「選のあとのあとで  川瀬しはす」はこちら。

課題句(2020年4月号)

課題句「花」	藤田千秋 選

花の中枝黒々とはしりけり		藤永貴之
返しある畑の土に落花かな

麓より西行庵の花目指し		飯田美恵子
花吹雪病院裏を柩発つ		前田なな
並足で行く馬の背に花吹雪		町田 良
新しき切株一つ花の中		山本道子

課題句(2020年3月号)

「耕」        磯田和子 選

田の神へたつぷり供へ耕せる		冨田いづみ
耕馬来て学習たんぼ賑はへる

潮除も家も新建(シンダチ)耕せる		藤永貴之
鍬とりて妻のつづきを耕せる		岩本桂子
漁終へし海女は昼から耕人に		近藤作子
(シシ)がでる猿が出る畑耕さねば		本井英