課題句(2019年5月号)

「若葉」       渡邉 美保 選

馬群いま向正面若葉沸く		前北かおる
神水を含めば金気若葉陰

魚付の岬の森の若葉風		杉原祐之
国文科の五限の授業若葉雨		梅岡礼子
六十九宿の一なる里若葉		本井 英
藤棚のゆさく 積める若葉かな		藤永貴之

課題句(2019年4月号)

「梨の花」 石神 主水選

平らかに枝張り広げ梨の花		岩本桂子
納屋よりのラヂオ梨の花に風

そこ〳〵に蜂も飛びゐる梨花の園	藤永貴之
梨咲くや遺骨がはりの石ひとつ		望月公美子
一村は同姓なりし梨の花		鐘居寿子
音楽大学経済大学梨の花		本井英

課題句(2019年3月号)

「目刺」  山内 裕子選

奥歯もて頭ㇻを嚙んで目刺食ぶ			櫻井 茂之
頰刺のあんぐり開けし口燃ゆる
目刺干されたり猫背の一尾あり			黒田 冥柯
目刺焼く煙朝市盛り上げて			村田うさぎ
早夕餉会話少なく目刺焼く			園部 光代
海ちかく住まひ目刺もたまに焼く		本井  英

課題句(2019年1月号)

「若水」            原 昌平 選

蓋とれば星を置いたる若井かな    藤永貴之
若水の底に沈める餅ヒかな 
僧堂の闇深くして若井汲む      小沢藪柑子
汲み上げし若水空を映したる     梅岡礼子
若水で点てたるお薄正客へ      草野 鞠
若水に息災の顔揃ひける       前田なな

課題句(2018年12月号)

「マスク」          坂 廣子選
                                                      
案ずるに及ばずと云ふマスクの眉   青木百舌鳥
マスクとり鼻よりたたみくるくるす
匿名となつたつもりのマスクかな   児玉和子
マスクして目の優しさの滲み出る   辻 梓渕
点滴を点検しをるマスクの目     本井 英
マスクして小さく人を隔てをり        伊藤八千代