課題句(2020年11月号)

課題句「石蕗の花」         山口禎子選

石蕗の花静かなれども華やげる		草野 鞠
帰り着く心地や門の石蕗の花

石蕗日和海辺の暮しにも慣れて		町田 良
石蕗咲ける無人の家に到着す		礒貝三枝子
石蕗の花此処は海抜二メートル		塩川孝治
三渓原富太郎つはぶきの花		本井 英

課題句(2020年10月号)

課題句「林檎」       渡辺深雪 選

先づ食べてみよとて林檎直売所		磯田和子
林檎摺り遣れば旨しと云ふ目元
林檎澄む四代に亘る開拓史		青木百舌鳥
岩木嶺の青空包む林檎畑		前田なな
弁当に林檎の兎目を添へて		髙橋庸夫
焼りんごシナモン香る町の店		梶浦珠代

課題句(2020年9月号)

課題句「蟷螂」      梅岡礼子 選

蟷螂のからくりめける身の構へ		磯田和子
いぼむしり腹引き摺りて舗装路に

蟷螂の図体重く飛びにけり		飯田美恵子
蟷螂や三角形の組み合わせ		櫻井耕一
いぼむしりにも鼻筋と呼べるもの		本井 英
見定めて蟷螂つひに草へ跳ぶ		冨田いづみ

課題句(2020年8月号)

課題句「流星」         信野伸子 選

星とんで言葉一つをのみ込みし		岩本桂子
流星暗き蟹座の辺りより

億万を終はらむとして流星に		山口照男
満目の星々のなか流れ星		藤永貴之
島畑の空の広さを流れ星		本井 英
山峡の空の深さや星流る		山内裕子

課題句(2020年7月号)

課題句「トマト」       藤野 澪 選

とりどりの色かたちしてみなトマト		天明さえ
もてなしの盥に冷やすトマトかな
初なりのトマト大きくいびつかな		武田きよみ
濡縁に一気に喰らふトマトかな		田中温子
葉の枯れて実の赤残るトマト畑		磯田和子
蔕つまみ口に入れたるプチトマト		永田泰三