月別アーカイブ: 2012年4月

4月4日池袋句会

4日は池袋句会でした。兼題「春陰」「枸橘の花」と相も変らず難しい兼題でした。

兼題を出した幹事は家族旅行で欠席。

稽古会直後にも係らず英先生を初め、参加者10名、不在投句2名が出席。

私も久しぶりに出席させて頂き、皆様方の高い技術の妙味を堪能しました。

「春陰」については、その言葉時代にニュアンスが色濃く出すぎる嫌いがあり、花鳥諷詠の詩の季題としてどのように詠み込むか、難しい点があるという英先生からのお話がありました。

「枸橘の花」のような植物の季題については、題材の新奇にとらわれず句が詠っている景色がしっかり伝わることがまず大事であると再認識を致しました。

句会に出ると大変勉強になります。

次回は5月2日兼題は「八十八夜」「飛魚」、会場は池袋の勤労福祉会館です。多くの方のご参加をお待ちしております。

主宰近詠(2012年4月号)


 褒められもせず       本井英

お降やそれでも浜に二三組

神の池淑気湛へて皺はむなし

初神籤読み上げ合うてゐたりけり

初富士や昼過ぎてやはらかくなる

七福神どれも小ぶりや詣でけり




つついたりひつちぎつたり寒鴉

大前に褒められもせず寒鴉

漬けてある砥石薄さよ寒の水

煮凝や鞣せしがごとつやりとす

煮凝や酔余といへど昨夜のこと




鐘ヶ淵あたり河ごと冬ざるる

午後の日の辷り流るる寒牡丹

緋毛氈枯木の奧に見えてをり

雪折の雪ふりほどくことならず

倒木を抱かんと雪たゆまざる




一昨日の雪の匂ひに木立かな

榛の木の乾いて立てる雪の原

春節も昏れかたになり賑はへり

春節の獅子のぐぐぐと伸び立てる

丘ひとつ迂回して梅探るかな

【4-3】選句結果~4月1日分題詠でGO!「桜」「菜種河豚」

【4-3】選句結果~4月1日分題詠でGO!「桜」「菜種河豚」

お待たせいたしました。各位の選句が揃いましたので発表します。

逗子の後選は後日まとめて「汐まねき」に掲載いたしますので、ご覧下さい。

なお、選句や特選句の講評が間に合わなかった方は、適宜コメント欄を使って追記下さい。

また、その他の方も、遅れての選句や、句の講評、諸々の感想については当欄のコメント欄を御使い下さい

(承認制のため、表示までタイムラグがある点ご承知おきください)。

 

選句結果~4月1日お題「桜」「菜種河豚」

照子選
◎菜種河豚ばかりが釣れて島のどか 泰三
菜種河豚膨らみながら捨てらるゝ 泰三
朝桜ロビーに流すモーツァルト かおる
脇腹に眼くろぐろ菜種河豚 かおる
市場より海へ放られ菜種河豚 祐之
祐之選
放られしままに乾びて菜種河豚 和子
国有地なりし宿舎の庭桜 明朗
谷埋めし壇林跡や桜散る 照子
◎昨日来て明日は帰る夕桜 かおる
脇腹に眼くろぐろ菜種河豚 かおる
明朗選
能古島の桜咲きしと旅便り 和子
◎新しき職場の桜吹雪かな 祐之
谷埋めし壇林跡や桜散る 照子
菜種河豚ばかりが釣れて島のどか 泰三
誘われて覗く朝市菜種河豚 照子
かおる選
夕桜声明学ぶ僧集ふ 照子
◎新しき職場の桜吹雪かな 祐之
谷埋めし壇林跡や桜散る 照子
市場より海へ放られ菜種河豚 祐之
遅かりし桜の開花よく晴れて 明朗
和子選
顔ゆがみ切つてをるなる菜種河豚 祐之
菜種河豚ばかりが釣れて島のどか 泰三
上千本そのまた奥の桜かな 美穂
遅かりし桜の開花よく晴れて 明朗
◎ぼんぼりを連ね桜の遅れゐる 照子
美穂選
韓の国へ向けて夜桜散りにけり 祐之
◎遅かりし桜の開花よく晴れて 明朗
ひと筋の潮の隔つる桜かな かおる
菜種河豚涼しい顔で生簀中 明朗
ぼんぼりを連ね桜の遅れゐる 照子
昌平選
放られしままに乾びて菜種河豚 和子
菜種河豚ばかりが釣れて島のどか 泰三
新しき職場の桜吹雪かな 祐之
◎市場より海へ放られ菜種河豚 祐之
一木の川面へ映ゆる桜かな 和子
以下に特選句の講評を掲載します。
<照子特選>

◎菜種河豚ばかりが釣れて島のどか 泰三

→初めての季題でした。認識してそれと見たことも
 ありません。こんな感じかなと。

<祐之特選>

◎昨日来て明日は帰る夕桜  かおる

→季題は「夕桜」。二泊三日の旅であったのでしょう。二日目の行程もほぼ終りとなり明日は午前中遊んで帰るのみとなりました。

心地よい疲れと昂揚感を「夕桜」で表すことができました。
ちょっと理屈っぽいかもしれませんが。心の弾みが現れた佳句だと思います。

<明朗特選>

◎新しき職場の桜吹雪かな 祐之

→特選句は様々な職場や学校で新人が期待に胸膨らませている今の季節に相応しい明るい句で季題の桜吹雪にちょっとうるっとしました。

皆様4日間に渡りご参加くださり有難うございました。

 ・

<かおる特選>

◎新しき職場の桜吹雪かな 祐之

→病院、学校、工場、そういった敷地の広い職場だと思います。期待と不安とが表現できていると思いました。

<和子特選>

◎ぼんぼりを連ね桜の遅れゐる 照子

→今年はいつまでも寒く、我が家近くの川沿いの桜並木もまさにこのとおり。

ぼんぼりは毎年決まった時期に、桜の遅速にかかわらず吊られるのであろう。
今春の桜の様子がよくわかる一句。

<美穂特選>

◎遅かりし桜の開花よく晴れて 明朗

→まだかな、まだかな、と待っていた桜がやっと咲いた。その日の天気は快晴。いつにもましてよく晴れているように思えるのは、桜が咲いた嬉しさから。「待っていた」、と言わずに「遅かった」言うことでかえって待ちかねた気持ちが良く伝わってくる。

 

花鳥諷詠ドリル ‐主宰の句評‐ 第17回 (平成17年4月8日 席題 花一切・虚子忌)

椿餅薄紅色に虚子忌かな
虚子の戒名が「虚子庵高吟椿寿居士」、お年をとって、椿が好きだったということです。そこで椿餅と言われると、なるほど虚子忌にふさわしいなという感じがしなくもありません。ちなみに私が使った「惜春忌」というのは、ほとんどの人が知りませんが、虚子の別号で「惜春居」という名前があります。意外と早くから使っていたということが、最近わかったんですが、「惜春居」という落款もあるんですね。「虚子忌」を「惜春忌」ということも許されると私は信じております。
花人の登城のごとく田安門
これは人気ありましたですね。今日はもう引っかかってしまって、登城できないですけれど、朝桜の頃で、ちょうど登城の時刻があります。えらいお侍だと、裃を着けてそのまま上がっていけばいい。中級以下のお侍だと腰に弁当をぶら下げて、これを腰弁という。腰弁組というのは、下級の旗本みたいなのが、城内でお弁当が出ない。この場合は登城のごとくというのだから、郎党を連れて、家来を連れて、裃を着けたちょっと偉そうな旗本のような感じがいたします。もっと偉いと、駕篭に乗って行ってしまうから見えないですから、微妙な階級ですね。本当にあったかどうか知りませんが…。ちょっと外股に、ゆっくり肩を揺すぶっていく、そんな益荒男ぶりの歩き方が描かれて、面白いと思いました。
常州の三代の碑の虚子忌なり
常州は常陸の国。常州三代は、僕はよく知りません。まあ、常州を治めた殿様が三代いたとかいうことだと思います。それも治世がよかったんでしょうね。その碑の前に立って、「あー、そういうこともあるんだ。偉い人っていたもんだな。」と思ったら、「今日は四月の八日で、虚子忌でもあったのだわい。」そういう句だと思います。いかにも春闌、さすがに常陸の国も、暖かくなっているという余韻がこの句にはあろうかと思います。
桃の門手押車の出で来たる
手押車が猫車のような、一輪車のようなことだと思うんですが、桃がたっぷり咲いた大きな百姓家の門があって、その門から突然手押車がぱんと出てきた。いかにも大きなお百姓だけれども、細かい日々の農作業もしてをるのだという感じで、健全な田舎の大百姓の姿が見えてくると思います。
すき込まれ首もたげたる花菜かな
元の句、「菜種かな」。稔って、油を絞るばかりなのが「菜種」。その時にすき込むのは何だろうということになってしまいます。すき込むと油が取れなくなってしまいますから。そうなると、花菜。これは土質改良の為にそういうのを播くことがあります。向日葵だけ播いておいて、それをすき込んで、次に何か入れるとか、よくあります。この場合には、花菜を植えておいて、それをすき込んで、栄養にしようということです。菜種ではなくて、花菜。ざくざくざくとやったら、首をもたげている菜の花があったということですね。