日別アーカイブ: 2012年4月2日

花鳥諷詠ドリル ‐主宰の句評‐ 第17回 (平成17年4月8日 席題 花一切・虚子忌)

椿餅薄紅色に虚子忌かな
虚子の戒名が「虚子庵高吟椿寿居士」、お年をとって、椿が好きだったということです。そこで椿餅と言われると、なるほど虚子忌にふさわしいなという感じがしなくもありません。ちなみに私が使った「惜春忌」というのは、ほとんどの人が知りませんが、虚子の別号で「惜春居」という名前があります。意外と早くから使っていたということが、最近わかったんですが、「惜春居」という落款もあるんですね。「虚子忌」を「惜春忌」ということも許されると私は信じております。
花人の登城のごとく田安門
これは人気ありましたですね。今日はもう引っかかってしまって、登城できないですけれど、朝桜の頃で、ちょうど登城の時刻があります。えらいお侍だと、裃を着けてそのまま上がっていけばいい。中級以下のお侍だと腰に弁当をぶら下げて、これを腰弁という。腰弁組というのは、下級の旗本みたいなのが、城内でお弁当が出ない。この場合は登城のごとくというのだから、郎党を連れて、家来を連れて、裃を着けたちょっと偉そうな旗本のような感じがいたします。もっと偉いと、駕篭に乗って行ってしまうから見えないですから、微妙な階級ですね。本当にあったかどうか知りませんが…。ちょっと外股に、ゆっくり肩を揺すぶっていく、そんな益荒男ぶりの歩き方が描かれて、面白いと思いました。
常州の三代の碑の虚子忌なり
常州は常陸の国。常州三代は、僕はよく知りません。まあ、常州を治めた殿様が三代いたとかいうことだと思います。それも治世がよかったんでしょうね。その碑の前に立って、「あー、そういうこともあるんだ。偉い人っていたもんだな。」と思ったら、「今日は四月の八日で、虚子忌でもあったのだわい。」そういう句だと思います。いかにも春闌、さすがに常陸の国も、暖かくなっているという余韻がこの句にはあろうかと思います。
桃の門手押車の出で来たる
手押車が猫車のような、一輪車のようなことだと思うんですが、桃がたっぷり咲いた大きな百姓家の門があって、その門から突然手押車がぱんと出てきた。いかにも大きなお百姓だけれども、細かい日々の農作業もしてをるのだという感じで、健全な田舎の大百姓の姿が見えてくると思います。
すき込まれ首もたげたる花菜かな
元の句、「菜種かな」。稔って、油を絞るばかりなのが「菜種」。その時にすき込むのは何だろうということになってしまいます。すき込むと油が取れなくなってしまいますから。そうなると、花菜。これは土質改良の為にそういうのを播くことがあります。向日葵だけ播いておいて、それをすき込んで、次に何か入れるとか、よくあります。この場合には、花菜を植えておいて、それをすき込んで、栄養にしようということです。菜種ではなくて、花菜。ざくざくざくとやったら、首をもたげている菜の花があったということですね。

【3-3】選句結果~3月31日分題詠でGO!「浅蜊」「竹の秋」

【3-3】選句結果~3月31日分題詠でGO!「浅蜊」「竹の秋」

お待たせいたしました。各位の選句が揃いましたので発表します。

逗子の後選は後日まとめて「汐まねき」に掲載いたしますので、ご覧下さい。

なお、特選句の講評が間に合わなかった方は、適宜コメント欄を使って追記下さい。

また、その他の方も、遅れての選句や、句の講評、諸々の感想については当欄のコメント欄を御使い下さい

(承認制のため、表示までタイムラグがある点ご承知おきください)。

 

選句結果~3月31日お題「浅蜊」「竹の秋」

照子選
狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
浸されて浅蜊たちまち閉ぢるかな 和子
尻濡らすことも楽しく浅蜊掘る 明朗
良寛の庵へ続く竹の秋 和子
◎砂抜きの浅蜊や今日の株価の上 かおる
昌平選
良寛の庵へ続く竹の秋 和子
狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
◎手入れする人のあるなし竹の秋 美穂
三河湾の広さに散つて浅蜊掘る 照子
尻濡らすことも楽しく浅蜊掘る 明朗
かおる選
暗がりにこそと浅蜊の動く音 美穂
◎大浅蜊げつぷの如く砂を吐く 祐之
お地蔵に供花新しく竹の秋 昌平
尻濡らすことも楽しく浅蜊掘る 明朗
塔頭に日の射していて竹の秋 美穂
祐之選
狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
◎別当の裏の山なる竹の秋 昌平
マフラーを二本突き出す浅蜊かな かおる
対岸の久里浜火力浅蜊掻く かおる
塔頭に日の射していて竹の秋 美穂
和子選
狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
大浅蜊げつぷの如く砂を吐く 祐之
◎手入れする人のあるなし竹の秋 美穂
三河湾の広さに散つて浅蜊掘る 照子
漁師町なりし羽田や浅蜊汁 照子
明朗選
大浅蜊げっぷの如く砂を吐く 祐之
朱宮御所を訪いけり竹の秋 照子
◎御勝手を開きてみれば竹の秋* 祐之
対岸の久里浜火力浅蜊掻く かおる
塔頭に日の射していて竹の秋 美穂
美穂選
良寛の庵へ続く竹の秋 和子
◎狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
竹秋の寺にもありし船着場 照子
舌噛んで浅蜊の口の半開き かおる
濡れそぼち葉の重なりて竹の秋 昌平
漁師町なりし羽田や浅蜊汁 照子
以下特選句とその評を紹介します。
<照子特選>
◎砂抜きの浅蜊や今日の株価の上 かおる
→娘夫婦は浅蜊のバター焼きが大好物。
休日にはワインと大きなフランスパンを揃えサラダと浅蜊、キッチンの新聞紙の上に浅蜊が置かれている。
<昌平特選>
◎手入れする人のあるなし竹の秋 美穂
竹林を近くから見ているのではなく、いくつかの竹の群生地を距離をもって見ている。過疎の進む山村の景として読んだ。
<かおる特選>
◎大浅蜊げつぷの如く砂を吐く 祐之
→浅蜊が砂を吐くところは見たことがありませんが、「げつぷ」といわれて見ると良くわかりました。思い切って俗な表現にしたところが良いと思いました。
<祐之特選>
◎別当の裏の山なる竹の秋 昌平
→季題は「竹の秋」。「別当」と言う言葉で社寺の様子がすっと浮びます。
その裏山はちゃんと手入がされた竹林なのでしょう。さわさわと竹が散ってゆきます。
省略の効いた佳句と思います。
<和子特選>
◎手入れする人のあるなし竹の秋 美穂
→竹林は放っておくとすぐに荒れて手が付けられなくなるそう。
やがて迎える勢いのある竹の季節を前に、やや荒れ始めた竹林の、精彩を欠いている今の感じがよく出ている。
<明朗特選>
◎御勝手を開きてみれば竹の秋 祐之
→あっさりしたお句だが、今はあまり見ないお勝手口からの竹の秋をさらっと詠んで、春深を感じる。
<美穂特選>
◎狛犬のほのと温くしや竹の秋 明朗
折に触れお参りをする、近所の神社の風景。ある日ふと、狛犬に触れてみた。日を浴びて少し温まっている。
春だなと思って辺りを見れば、竹の葉が茶色くなっている。町中の小さな神社に春の足跡をみつけた。
竹の秋、の淋しい印象が「狛犬」によって薄まって感じられるのが面白いと思った。
以上です。追加のコメントや選句がありましたらコメント欄に書き込みください。

 

【4-2】清記 4月1日分題詠でGO!「桜」「菜種河豚」

【4-2】清記 4月1日分題詠でGO!

4月1日のお題「桜」「菜種河豚」の清記をUPいたします。

各位●句選で、その内1句に◎と簡単な講評(無くても構いませんが、折角なので是非)を御付け下さい。

締め切りは4月3日AM6時でお願いします。

選句の送付方法は、

★下記フォームの活用、

または、メールアドレス:homepage*natsushio.com

へ送付下さい(*を@に変更、スパム対策です)。

 

★選句送付の際には件名に日付と「選句」と俳号を記載 【4月1日選句・祐之】

本文には、選句のほか、俳号と各人のメールアドレスの記載を忘れずにお願いします。

 

★〆切り以降送付頂いたものも順次更新しますので、どうか多くの方にご参加いただきたく。

<清記>4月1日「桜」「菜種河豚」

 

1 – 1 夕桜声明学ぶ僧集ふ
1 – 2 顔ゆがみ切つてをるなる菜種河豚
1 – 3 放られしままに乾びて菜種河豚
1 – 4 菜種河豚ばかりが釣れて島のどか
1 – 5 川桜北岸殊に咲き進み
2 – 1 灯されて色を変へたる桜かな
2 – 2 国有地なりし宿舎の庭桜
2 – 3 韓の国へ向けて夜桜散りにけり
2 – 4 上千本そのまた奥の桜かな
2 – 5 朝桜ロビーに流すモーツァルト
3 – 1 子供らは畏れを知らず菜種河豚
3 – 2 町を見下ろして博士の桜咲く
3 – 3 少女らの見上げてをりぬ朝桜
3 – 4 菜種河豚膨らみながら捨てらるゝ
3 – 5 新しき職場の桜吹雪かな
4 – 1 寺も町も人も桜に見え隠れ
4 – 2 谷埋めし壇林跡や桜散る
4 – 3 市場より海へ放られ菜種河豚
4 – 4 遅かりし桜の開花よく晴れて
4 – 5 食うてみて何事もなし菜種河豚
5 – 1 能古島の桜咲きしと旅便り
5 – 2 昨日来て明日は帰る夕桜
5 – 3 菜種河豚まづ舌に乗せ噛み始む
5 – 4 魚市場ちよろちよろ覗き菜種河豚
5 – 5 酔ひ覚ましながら桜を見てゐたり
6 – 1 誘はれてのぞく朝市菜種河豚
6 – 2 乗り継いで桜の森の満開の下
6 – 3 菜種河豚食ふて蕃勇笑われる
6 – 4 小さき窓より大桜仰がるゝ
6 – 5 ひと筋の潮の隔つる桜かな
7 – 1 煮て食へば跡形もなし菜種河豚
7 – 2 霞たる記憶の中の桜かな
7 – 3 島裏に大遊園地桜さく
7 – 4 夜桜の満ちて嵐に動ぜざる
7 – 5 菜種河豚涼しい顔で生簀中
8 – 1 ぼんぼりを連ね桜の遅れゐる
8 – 2 一木の川面へ映ゆる桜かな
8 – 3 二三輪咲きし桜の愛ほしき
8 – 4 脇腹に眼くろぐろ菜種河豚
8 – 5 コテージの小さき窓の桜かな
投句は、泰三、かおる、照子、明朗、和子、昌平、美穂、祐之

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    ※なお、管理者が仕事&宴会予定のため、明日朝の更新が遅れる可能性がある点ご承知おきください。