日別アーカイブ: 2011年9月6日

清水操先生「院展」に出品。(前北かおる)

 「夏潮」の表紙絵でおなじみの清水操先生が、明日から開かれる再興第96回院展に作品「六月二十三日」を出品されます。是非、ご覧ください。

 

【再興第96回院展】

9月7日(水)~9月19日(月・祝)

日本橋三越本店 本館7階(第1・2会場)

新館7階ギャラリー(第3会場)

入場料:一般800円/大学・高校生600円(中学生以下無料)

午前10時~午後6時半

http://nihonbijutsuin.or.jp/index.html

花鳥諷詠心得帖37 三、表現のいろいろ-12- 「切字(き)」

前回は「けり」でけりを付けたが、今回は「き」。

「けり」と同様過去の助動詞だが、「けり」は間接体験であるのに対して「き」は直接体験であることは
既に述べた。
『五百句』中には六句登場するが、いずれも連体形の「し」の形である。
間道の藤多き辺に出でたりし 虚子
山のかひに砧の月を見出せし 々
さしくれし春雨傘を受取りし 々
百官の衣更へにし奈良の朝 々
行人の落花の風を顧みし 々
夏草に黄色き魚を釣り上げし 々

連体形というのは当然ながら体言(つまり名詞)を修飾する形。

三句目「さしくれし」は直接「春雨傘」を修飾している。
「春雨傘」それはどんな「春雨傘」かと言うと、「(誰かが)さしかけてくれた」「春雨傘」であって何物でもない、
という構造だ。
その中での「き」の働きは、「さしかけてくれる」という現在形ではなくて、「さしかけてくれた」と過去の
直接体験としているところにある。

四句目の「衣更へにし」の「し」も「奈良の朝」を連体修飾している。
すっかり「衣更」を了えて南庭に居並ぶ「百官」の姿が過去のものとして、きちっと表されている。

ところが四句目以外の句末の「し」には若干の解説が必要かもしれない。
散文とも違うので厳密には言えないのではあるが、本来句末は「終止形」で終わる。
ただし「係り結び」のように特殊な場合は連体形や已然形で終わることもあるが、
それには「係りの助詞」が必要だ。
では「し」は誤りか。
結論を言えば「こと」という体言が省略されていると考えるのが具合がいいのだろう。

一句目で言うなら、
ある目的地に向かって歩いて行くのに、途中からう ろ覚えの近道に入ってみた。
随分と狭いところもあったが、急に前が開けて「本道」に出たところ、そこは 以前から知っていた、あの、
「藤の多い」あたりであったことよ。
となる。つまり「出でたりし」は「出たことよ」となり、「出た」という直接体験の直叙より、それ以前からの
「出来事」全体をまとめて表現したことになる。
そのあたりは「出でたりき」と比較してみると良くわかる。
しかも終止形で終わらないことの効果は「係り結び」のそれと同等だ。

二句目以降も、「見出したことよ」、「受け取ったことよ」、「顧みたことよ」、「釣り上げたことよ」となる。
特に「釣り上げし」などそれ以前から「何が釣れるのか」と秘かに興味を持って見ていた
作者の心持ちが出ていて、「し」ならではの感が深い。 (つづく)

浜に出てみました

原稿書きが行き詰まって、気晴らしに浜へ出てみました。さすがに台風の余波も治まり江ノ島もよく見えます。頭の中は虚子の七百五十句の事でいっぱいです。明日は上京して池袋の勉強会と俳句会に出ます。(英)

課題句(2011年9月号)

「竜胆」      杉原祐之 選

竜胆の尖りしまゝに錆びにけり	北村武子
紫に烟る湿原濃りんだう

靴濡らし竜胆咲けるところまで 津田伊紀子 竜胆に危うき橋を渡りもし 田島照子 山の晴三日とつづき濃竜胆 近藤作子 はなやぎのなきむらさきや濃竜胆 岩本桂子

第三回「夏潮」年間賞「黒潮賞」・「親潮賞」応募規定

本年も、会員各位の作句力の充実と、新たな作品世界の開拓に資するために、「黒潮賞」・「親潮賞」への参加を募ります。

応募資格:        「夏潮」定期購読者ならびにその家族。

                            「黒潮賞」:平成23年10月1日で、満60歳に満たない方。

                            「親潮賞」:平成23年10月1日で、満60歳以上の方。

出句数:              未発表作品20句(季題の季節と問わない)。必ず「題名」をお付けください。

                              応募作品の「夏潮」雑詠への投句はご遠慮下さい。

応 募方法:          「夏潮」9月号同封の「応募用紙」(他の用紙使用はご遠慮下さい。なお、コピーなさって、ご家族でお使いになるのは自由です)に作品20句、並びに必要事 項を記入の上、「夏潮会」(〒249-0005 逗子市桜山8-5-28)宛にご郵送下さい。

〆切:                  9月末日必着。

選者:                  本井英

発表:                  「夏潮」平成24年「1月号」誌上。

賞品:                  未定。

 

「夏潮」会員全員の積極的応募を期待します。