用水をどぶどぶ鳴らし雪解水 茂之 (泰三)

  誠に、久々の投稿で申し訳ありません。泰三改め、怠蔵とでもそろそろ名乗るべきかと考えているこの頃です。今月は己に厳しくどんどん投稿してゆく所存であります。

  季題は、雪解水(ゆきげみず)で春。春の陽射しによって雪が溶けたものである。さて、この句。大量に流れ込んだ雪解水が用水路にどぶどぶ鳴っている。生き物たちが目覚める初春のエネルギーを感じると共に、冷たく澄んだ水が溢れている心地よい様が目に浮かぶ。

 ただ何度も読んでゆくうちに、「雪解水が用水を鳴らす」、すなわち「水が水を鳴らす」という表現が気になってきた。意味を明白にするには、「用水路」、もしくは「クリーク」と言った言葉を用いた方が良いのだろう。もしくは、「用水にどぶどぶ鳴るや雪解水」だろうが、この表現では面白くない。

 辞書で、「用水」を引いてみたところ、「飲料・灌漑・選択・防火などの用に供するための川または引き水」とある。「用水」に「川」との意味があるのであれば、この句の表現でいいのかもしれない。

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