草笛で白雲二つ呼び寄せて 松尾裕子 (泰三) 

残暑のおかげで、まだまだビールを楽しんでいる泰三です。

 「夏潮」9月号雑詠より。季題は「草笛」で夏。葉っぱや茎を口に押し当てて音を出して遊ぶものである。ちなみに我らが英主催は、草笛の名手であられ、吟行会では時々その腕前を披露してくださる。

 さて、この句。草笛で白雲を二つ呼び寄せているという。もちろん、草笛にそんな力はない。実際は、雲が二つ空を流れている時に、草笛を吹いているだけである。しかし作者はそう感じた。遊び心である。時代劇などでは、大捕物の際、呼子笛が「ピー」と鳴って、「ご用だ」などと言いながら同心達がざわざわと集まってくるのであるが、この句は、草笛で雲を呼ぶという。世の中の喧噪を離れた、ほのぼのとした気持ちの良い景色だ。

草笛で白雲二つ呼び寄せて 松尾裕子 (泰三) 」への3件のフィードバック

  1. 岡部憲ビンセント
    よいですねえ・・・。今日は昼休みに公園にいったのですが、雲が二つたまたま向かい合って話をしているように見えました。雲二つ何を話すか夏の空 といった感じのいい空でした。草笛吹いたら気持ちよかったろうなあ。
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  2. taizo 投稿作成者
    コメントありがとうございます。この句「はくうんふたつ」という「ハ行」の音も気持ちいいですね。わたくし実は、草笛吹けないのです。吹けると気持ちいいでしょうね。
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