著ぶくれてこぼれおちさうバギーの子 田中金太郎 葉牡丹の紫の渦にすひこまる 寒禽のするどき声に沼暮るる 病む妻の爪切りてやる小春かな レジ袋最後に入れる桃二つ 都築 華 炎昼の鶏小屋騒ぎ静まりぬ 町田 良 新涼の侍浜の松に雨 稲垣秀俊 猿山の猿に片陰すらも無く 辻 梓渕
雑詠(2019年12月号)
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著ぶくれてこぼれおちさうバギーの子 田中金太郎 葉牡丹の紫の渦にすひこまる 寒禽のするどき声に沼暮るる 病む妻の爪切りてやる小春かな レジ袋最後に入れる桃二つ 都築 華 炎昼の鶏小屋騒ぎ静まりぬ 町田 良 新涼の侍浜の松に雨 稲垣秀俊 猿山の猿に片陰すらも無く 辻 梓渕
文反故 本井 英
鶺鴒のたまさか映る忘れ潮 チェンソーの一つの音に島の秋 流れ来て川霧すやり霞なす 一人干す一人のものや葉鶏頭 夜寒さに目を遊ばする文反古
猫にお手教へてをれば夜ぞ長き ピザ釜を据ゑて疎林や小鳥来る オクラ畑長けさらぼへて花をなほ 秋風の沼をへだてて力芝 観察窓初鴨がなと覗きみる
紫陽花の実となりそれも枯るるころ 追へばやや急ぐそぶりに穴まどひ あちこちにホース綰ねて園の秋 花ながら雨の茶垣の整はぬ 蔓葉はらひて藷掘りを待つばかり
虫の音と雨音とあひ縫ふごとし 秋潮を熨し自衛艦一〇五 千両の紅の過渡期を美しと 真青なることも佳きかな真葛 見よがしに咲き連ねたる杜鵑草
稲架立てる場所 本井 英
娘等に流行るは手持ち扇風機 白芙蓉白よりほかの色知らず いつの間に蜩の熄みわたりをり 初潮の大きく退りゐる渚 ただ高く翔るばかりぞ秋燕
丘をまいて御最期川は浅く澄みいま船で着きし人らに庭の秋 潮浅し小鯊あつち向きこつち向き 父祖の地の根津のここらの秋祭 クロネコの自転車便に辻の秋浜離宮 二句
五十年棲めばわが町鰯雲 鰯雲大きく破れをるところ 蔓の影くつきり置いて通草かな どんぐりの幼き色の敷きこぼれ 園内を檄の駆けたる曼珠沙華
知つてゐて雀蜂と目の合はぬやうこの稲田風のげんこつ喰らひたる 稲架立てる場所をまづ刈り取りにけり 稲架裾を楽しくくぐり蝶黄なる 露草の実のぷつちんの苞がくれ小諸俳句田圃