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主宰近詠(2022年9月号)

につかにかの   本井 英

ぞわぞわと腰で歩みて毛虫たり

明易の合戦尾根をうち仰ぎ

麻酔より覚めゆく五体明易き

山法師を見下ろさんとて登るかな

向き合うて待つ踏切や梅雨の晴

あれは亀これは鼈梅雨晴間

一病をたづさへくぐる茅の輪かな

滑莧はぐり生産緑地たり

羽毛下(ハケシタ)の径のほとり代田かな

薫風を棒とつつみて吹き流し


玉網小さし蝶を捕らんや蝦を捕らんや

玄室に幾千年の五月闇

流れゆく蚯蚓の総身ほとびたる

につかにかの笑顔にかぶせ夏帽子

きちかうの蕾の闇の覗けけり

膝の蠅ちらりちらりと吾を見上げ

肘で葉を押しやりて蓮撮つてをり

蓮の花つぼむ力をなほ存し

無患子落花霰ほどには弾まざる

夏雲のころがりながら消え失せし

句会・吟行会案内(2022年9月)

湘南タイドプール
  • 日時/集合 9月1日(木)
  • 吟行地・兼題 夫婦池公園、鎌倉山ほか
  • 句会場 鎌倉教養センター(笛田) 0467-32-1221 (13:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先 藤田千秋 橋本由美子
池 袋
  • 日時/集合 9月7日(水)
  • 吟行地・兼題 菜虫、富士薊
  • 句会場 勤労福祉会館(会場が違いますのでご注意を) 03-3980-3131 (19:15締切 7句)
  • 幹事/連絡先 前北かおる
渋 谷
  • 日時/集合 9月8日(木)
  • 吟行地・兼題 コスモス、夜業
  • 句会場 リフレッシュ氷川2階多目的室 03-5466-7700 (14:00締切 7句)
  • 幹事/連絡先 櫻井耕一 前田なな
土 曜
  • 日時/集合 9月10日㈯ 12:00(時間注意) JR山手線・京浜東北線鶯谷駅南口改札前
  • 吟行地・兼題 寛永寺霊園~寛永寺本坊~国際子ども図書館~黒田記念館~両大師~塔頭寺院群
  • 句会場 日本鳩レース協会・2階ホール・寛永寺輪王殿前 03-3822-4231 (15:00締切 7句)
  • 幹事/連絡先 宮川幸雄
名古屋
  • 日時/集合 9月11日(日)
  • 吟行地・兼題 白鳥庭園
  • 句会場 未定 (13:00締切 10句)
  • 幹事/連絡先 大山みち子
タイドプール (初心者対象)
  • 日時/集合 9月15日(木) 13:00 上野文化会館前
  • 吟行地・兼題 上野
  • 句会場 千代田区矢板ビル 03-3255-0471 (15:30締切 5句)
  • 幹事/連絡先 矢板けん梓
湘 南
  • 日時/集合 9月18日(日)
  • 吟行地・兼題 光明寺宝戒寺(9月号掲載に誤りがありました。お詫びして訂正します。)
  • 句会場 鎌倉生涯学習センター 0467-25-2030 (14:00締切 7句)
  • 幹事/連絡先 根岸美紀子 坂 廣子
福 岡
  • 日時/集合
  • 吟行地・兼題
  • 句会場
  • 幹事/連絡先 藤永貴之

課題句(2022年8月号)

課題句「溝萩」    髙橋庸夫 選

溝萩の咲くや帰郷のままならず		前田なな  
飛び〳〵の溝萩明り母訪はな

父母偲びつつ溝萩を手折りたる		江本由紀子
暮れてゆく田に溝萩の色残る		藤田千秋
溝萩の赤紫の揺れ通し		児玉和子
溝萩のこぼれ湧水奔る町		近藤作子

酸実の花日影にはかに夏めきぬ  青木百舌鳥

 「酸(ズ)実(ミ)の花」は「小梨の花」とも呼ばれ、山地の荒地や湿原などで見かける。上高地の河童橋近くの「小梨平」など、この花に因んだ命名であろう。純白な清楚な五弁花は印象深い。「酸実の花」でも夏の季題として採用している歳時記は少なくないが、この句の季題は「夏めく」。つまり一句の主役は「酸実の花」ではなくて、その花を咲かせている木立の作る「日影」の様子から、作者は「夏の到来」を実感したというのである。さきほど「上高地」の地名に言及したが、筆者が初めてこの花を認識したのは軽井沢でのこと。ご一緒だった清崎先生が「ズミだよ」と教えて下さった。この句、つまりは「酸実の花」の咲く頃の信州の「空気感」みたいなものが間違いなくある。それも「日向」でなく「日影」。筆者のような関東者にとって「夏の信州」は憧れの対象、その象徴のように「酸実の花」は咲いている。(本井 英)

雑詠(2022年8月号)

酸実の花日影にはかに夏めきぬ		青木百舌鳥
酒粕は浪乃音なり山葵漬
いささかの蕨をとりて濃き日ざし
来し方を見て葉桜の明るさよ

顔のなきマネキン怖し原爆忌		山口照男
生きるとは凄まじきこと鳥交る		塩川孝治
貰はれて小猫の名前替りけり		北村武子
庭師の手歴然として若緑		馬場紘二