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雑詠(2024年5月号)

本土より四国山地や初明り		梅岡礼子
初明り島うすうすと浮かみくる
庭ごとに柚子のたわわや旧街道
冬菜畑母屋と納屋に挟まれて

弥撒終へし神父囲みて御慶述ぶ		原田淳子
縦に引く箒清しや五月場所		山口照男
鰹節のかをりがずつと南風の町		藤永貴之
ふるさとの橋の上なる御慶かな		田中 香

主宰近詠(2024年5月号)

春水舌を  本井 英

民家園のほまち仕事の接木鉢

春田なる白鳥向きをばらばらに

垂るる雲に頭つつかへ斑雪山

雛飾足裏冷たく拝見す

雛道具に怠るまじき琴棋書画

うすら日に浮き上がりくる雪景色

雲中に日の明るさや揚雲雀

昇りつめてじれてをるなり揚雲雀

落椿をお狐さまの()にちよんと

岬径のだんだん高し赤椿


芍薬の芽立ち仏の座が囃し

鷹部屋に鷹の剝製春寒し

引き堀の土手に貼りつき金瘡小草(キランソウ)

貝母咲く高さを風の流るるよ

ちりちりと蓬ぞ摘めば楽しからむ

父と子に脂魚(ムツゴ)が釣れて春の風

鴨は背の春水の珠ふり落とし

青柳に新幹線の橋はるか

河上の連山霾に閉ざされて

崖下の春水舌を垂れやまず

句会・吟行会案内(2024年5月)

池 袋
  • 日時/集合:5月1日(水)
  • 吟行地・兼題:鯥五郎、髢草
  • 句会場:東京芸術劇場  03-5391-2111  (19:15締切 7句)
  • 幹事/連絡先:前北かおる
湘南タイドプール
  • 日時/集合:5月2日(木)
  • 吟行地・兼題:夫婦池公園・鎌倉山ほか
  • 句会場:鎌倉教養センター(笛田)  0467-32-1211  (13:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先:羽重田民江  菅原恵美子  
名古屋
  • 日時/集合:5月5日(日)  10:30 JR弁天島駅
  • 吟行地・兼題:弁天島辺り
  • 句会場:舞阪協同センター  (14:00締切 10句)
  • 幹事/連絡先:大山みち子
渋 谷
  • 日時/集合:5月9日(木)    
  • 吟行地・兼題:薪能、夏霞  新宿御苑の吟行あり。
  • 句会場:リフレッシュ氷川2階多目的室  03-5466-7700  (14:00締切 7句)
  • 幹事/連絡先:櫻井耕一  財前伸子
土 曜
  • 日時/集合:5月11日㈯ 12:00 東京メトロ東西線・妙典駅改札前  (各停に乗車、快速は止まりません)
  • 吟行地・兼題:行徳の寺町~権現道~旧浅子神輿店(市川市行徳ふれあい伝承館)~旧江戸川~常夜灯公園  
  • 句会場:市川市本行徳公民館  会議室  (15:00締切 7句)  
  • 幹事/連絡先:宮川幸雄  
タイドプール  (初心者対象)
  • 日時/集合:5月16日(木)  13:00  上野駅公園口改札前
  • 吟行地・兼題:上野
  • 句会場:千代田区矢板ビル  03-3255-0471  (15:30締切 5句)
  • 幹事/連絡先:林 美佐子  
湘 南
  • 日時/集合:5月19日(日)
  • 吟行地・兼題:鎌倉宮、永福寺跡
  • 句会場:鎌倉学習センター  第5集会室  0467-25-2030  (14:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先:飯田美恵子  橋本由美子  
東 京
  • 日時/集合:5月22日(水)  
  • 吟行地・兼題:目黒・自然教育園
  • 句会場:三州倶楽部2階大ホール  品川区上大崎1-20-17  03-3447-6776   (13:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先:田中温子  武居玲子  
福 岡
  • 日時/集合:
  • 吟行地・兼題:
  • 句会場:
  • 幹事/連絡先:藤永貴之  

課題句(2024年4月号)

課題句「フリージア」   坂 廣子 選

八丈富士の裾野ひろやかフリージア	冨田いづみ
フリージア摘んで抱へて島のバス

片言の英語通ずやフリージア		前田なな
フリージア抱へて辿る夜の道		足立心一
フリージア古民家カフェの庭先に	中島富美子
フリージア生けて寂しさ消えにけり	北尾千草

在宅の仕事納めの静かな日  藤森荘吉

 季題は「仕事納め」。『虚子編新歳時記』、『ホトトギス編新歳時記』共に、「御用納」はあるが「仕事納め」は季題として立てていない。角川『俳句大歳時記』では「御用納」の傍題として立項、例句として宮坂静生の<揺れゐたり仕事納めの弥次郎兵衛>の一句を掲げる。「御用納」となれば官公庁、あるいは古くは朝廷、幕府での業務を納める日。民間あるいは武家でない者が使うのはやや憚られたものであろう。そこで自然と「仕事納め」という言葉が使われ始めた、と思われる。一句の味わい処は「在宅の」。普通に「家に在る」の謂で永らく使われてきた言葉で、「在宅起訴」などという物騒な言葉もある。ところが近年の「コロナ騒ぎ」から「在宅勤務」が大幅に導入され、多くの勤め人達が、無理に通勤しない状態が広まってくると、一つの「暮らし方」として認知されるようになり、掲出句などの状況も誠に納得のいくものとなった。全員が通勤していた頃、「仕事納め」となれば、気心の知れた同志で「一杯やって」から家路に着くのが、当たり前だったものだが。静かにパソコンの電源を切って「終わり」という事になるのであろう。「静かな日」という表現に、一日の静けさも思われて、「令和の句」であると実感させられた。季題に随順した健全な人生を思った。(本井 英)