立子なつかし 本井 英 その伯母の墓参で出会ふばかりなる バラストを棲処とさだめゑのこ草 碑に飽いて秋の暑さの百花園 行き当たるけうげん塚や秋暑し 案の如く垂るる蛇瓜百花園 台風の自転車ほどの速度てふ 落命する人かならずや台風来 野に潜む獣らに台風来るぞ 台風を綽名で呼ぶは馴染めざる なんとなく立子なつかし男郎花
寡黙なることをよろしと男郎花 蜉蝣のただやう高さ瀬を早み 蜉蝣の骸降り積み山の橋 千草分けゆく向かう臑こそばゆき いきどほり千草を歩して静めけり 踏切の鐘もかろらか秋めける 渓底に一径のあり秋めける 衣被長女がやつてきて茹でし 衣被頭をちよんと刎ねてある しらびその森霧雫とめどなや