はやしはやし 本井 英
見覚えの倒木もあり湿地採り 熊鈴を手で振ることも湿地採り 数珠玉や暗渠出てきて水笑ふ 数珠玉のまだ色づかぬ青二才 騎馬戦の騎馬組み上がり風わたる
シスターのスプーンレースはやしはやし 一湾にひつつれも無き秋の潮 部屋の日の届かぬ辺り紫苑立つ 日の紫苑雨の紫苑を愛すかな 秋晴も三時を過ぎて谷戸に風
秋晴の暮れたる闇のやはらかき 稲雀いまさら逃げていく一羽 穴まどひ逃げしもう一匹をりし 草の間をくちなはの斑の流れけり 山影のおよばんとする箒草
咲けるものなほありながら草紅葉 色変へぬ松龍鱗もほつれなく 秋声や文庫が谷戸と呼ぶはここ 鴨を見てをるやうで見てない漢 かしこみて仄暗がりに七五三