折れつぱなしの 本井 英
今日から七月帆船のカレンダー 涼風や横十間川 は南北に 半夏生の白うすれゆく日々にして サングラスかけて身振りも大袈裟に 丁稚から聟になほりて冷奴
太虹の紅 の( 縁 にも濃紫 タゴールのスナップ黴の展示室 藤棚のゆさと茂りて風のむた 長押なる槍と長刀夏座敷 家具の無きことが即ち夏座敷(
卒塔婆書く時折麦茶啜りつつ にいにいの声の貼りつく大樹かな にいにい蟬膝より低く聞こゆなり 氷旗飛沫の紺を散らしたる みそはぎの地味と見ゆ派手とも見ゆる
生りものは今年よかりし土用かな 日傘もう池の向かうに至りをり 日傘踏み出す花道のやうな橋 涼風や池半分を皺めたる 吹く風に折れつぱなしの夏帽子