初蝶の日なたに夫と待ち合わす いづみ (泰三)

 季題は、蝶で春。初蝶は、その年初めて見るの蝶の事。独身の頃は、良く恋人と待ち合わせをするが、一緒に暮らす配偶者となるとその機会はずっと減る。仕事だろうか、お互い違う場所に出掛けていた二人が、待ち合わせをしている。もちろん、「初蝶の日なたで待ち合わせね」などと言って待ち合わせが成立するわけはなく、待ち合わせの場所が、偶然日なたで、そこに初蝶が来てくれただけである。

 日常の中のちょっとした幸せが感じられる句である。待っている時間も蝶々のおかげで楽しい時間となった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください