寒い日が続いております。もうこれ以上着膨れることが出来ないぐらい着膨れている泰三です。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
季題は、かまきりで秋。蝶々や蝉といった小さな昆虫を襲う虫である。顔つきはいかにも凶悪。この句に詠まれているように、巨大な牙が二本ある。そして、その間に、なるほど舌のようなざらざらしたものがある。その舌で、鎌を舐めている。「かまきりが鎌を舐めている」といった句は多くあるのだろうが、かまきりの顔を「牙と舌あり」と具体的に描写したことによって、より鮮明な景色が描けている。季題をじっと見つめ、踏み込んだ表現が一句を成立させている。
時代劇では、狂った侍が刀を舐めているシーンなどが登場するが、あれはかまきりが鎌を舐めている処からの連想なのだろうか、などと思ったりもした。