雑詠(2025年2月号)

初鶏にパッと点りし一戸かな		藤永貴之
星や惜し霜や惜し年明けそむる
山裾と山裾のあひ初茜
霜の野にさしわたりたる初日かな

皂角子の莢を伝ひて雨雫		山内裕子
長き夜や目藥六本チェスの如		礒貝三枝子
木犀の葉軸を守るやうに咲き		宇佐美美紀
寒鰤のつける醬油を弾きけり		山口照男

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