主宰近詠(2025年2月号)

記念写真も   本井 英

三連符なしたり烏瓜真っ赤

蕎麦搔を雨の無聊に作らんか

日向ぼこ進行中の病ひなく

川風のたゆむ辺りの浮寝かな

屯してをれどてんでんヒドリガモ

花瓶立てしやうに白鷺川の冬

牡蠣船の急階段の手摺かな

牡蠣船の障子が開いて閉じにけり

ジーナといふ娘の話ペチカ燃ゆ

藁仕事足の指にも役のある


日帰り湯とて繁盛や年木積む

広尾とはポインセチアの似合ふ町

海桐の実割れて内蔵あからさま

痩せてゆく高麗山あとは眠るばかり

枝の目白仔細は見えず色ばかり

短日の青鷺糞りて無表情

冬日燦出窓の猫がこちら見て

老いてなほ落葉溜りを蹴る楽し

蕪村忌の記念写真もこと古れる

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