主宰近詠(2024年11月号)

学習田   本井 英

片陰へすりよつてゆく歩みかな

片陰の幅ひろければ一寸うれし

ひとかけらの午睡木蔭のテラス席

見学の列のかたはら三尺寝

蛭蓆みつしり敷いて学習田

青柿に学生寮はなほ()さず

鉄塔の碍子きらきら秋暑し

蒼然と給水塔や秋暑し

狗尾草の撫でてをるなり力石

螢草萎むや急に雲暗く


人の秋けふの句会に顔見えず

息長く吹く秋風や森の径

風は秋窶すにあらず窶れ歩す

母校なる秋の蚊に待ち設けられ

藷の葉やマルチシートは盛り上がり

老の目に今年の曼珠沙華淡し

爽涼の山小屋風のチャペルにて

落し水遅れてをりぬ学習田

学習田言ひ訳ほどに稔りたり

五つまで仰ぎ数へて通草の実

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