主宰近詠(2024年12月号)

混群   本井 英

皀角子の実を(ツノ)となし髥となし

なほしばし古酒をもて嗜みにけり

色鳥や我が見てをるを知つてをり

今朝も来るこの色鳥の名を知らず

ひねもすを脚立乗り降り林檎穫る

群れ鹿や牧のあなたを流れける

釦止めても衿を立てても泠まじや

黄に咲くや鉄道草と蔑まれ

山雀の神籤や固く巻かれたる

山雀の神籤ちりりと鈴も鳴り


仰ぎつつ混群のこと語る人   
        「混群」は「小鳥来る」の傍題としたい。 
木犀の莟そろへて香るなく

神田川をいま天牛が飛んで渡る

ビルの底に首塚はあり秋の暮

銚釐(チロリ)とはそもなつかしや温め酒

ご存命かどうかは知らず温め酒

どつさりと渋柿といふたたずまひ

葛の実や華やかならずあからさま

誅殺の世とてありけり谷戸の秋

十二所の名もゆかしさや里の秋

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