雑詠(2023年9月号)

雉子啼く喉に力を入れて啼く		北原みゆき
樟脳のにほひの形見春深む
半開きの厩舎の中へ燕かな
忍冬の花の黄色に変はる時
蛇衣を脱ぎて伸び〳〵したるらん	児玉和子
メーデーのデモ信号で膨らみぬ		山内裕子
花よりも莟を高う貴船菊		藤永貴之
羊羹のごとき池面に蛭蓆		稲垣秀俊

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