雑詠(2020年6月号)

涅槃図を展じ校内清閑と			前田なな
料峭や池底に黒き己が影
潜き合ひ水輪押し合ひかいつぶり
すべり来て石にふくらむ春の水
花びらの筋目いとほし犬ふぐり

薄氷やうち寄せられて積み上がり		矢沢六平
水仙や燈台守の官舎跡			杉原祐之
好き〴〵に火をつゝくかな磯かまど		黒田冥柯
調弦の倍音ぴんと春浅し			田中 香 

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