柏手の音やはらかな五月かな 深雪  (泰三)

  突然訪れた秋に少々体調を崩してしまい、そろそろ、焼酎ロックから、お湯割りに切り替えようかと思ってる泰三です。皆さんはいかがお過ごしですか。

  夏潮10月号雑詠より。季題は5月。初夏の誠に気持ちがよい季節である。緑豊かな神社には若葉が生き生きと茂っている。そんな中、参拝客が打った柏手が鳴った。その柏手の音が、柔らかかった。柏手は、寒い季節には、硬い鋭い音を立てる。初夏の心地よい空気が、柏手の音を柔らかくしているのだろう。

  また、文法的な正しさを言うならば、「やはらかなる五月かな」とすべきなのだろうが、「やはらかな五月かな」という「かな」を重ねたリズムの良さが、この句の持つ柔らかい内容と響きあっている。

 勝手な想像であるが、柏手を打った後の願い事も「家内安全」といったほのぼのとしたものであるような気がする。

柏手の音やはらかな五月かな 深雪  (泰三)」への2件のフィードバック

  1. GO!LEAFS!GO!
    なるほど文法をわざと崩してリズムを生んでいると言うわけですね。 諷詠ですなぁ。
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  2. taizo 投稿作成者
    「やはらかな」を口語として理解すれば、文法的にも解決するのでしょうが、すると仮名遣いを「やわらかな」とすべきなのでしょうか。難しいですね。どうなのでしょう。
    返信

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