太りひつつき 本井 英
こもろ・日盛俳句祭
虚子庵に回さずにある扇風機 清潔に古りゆく畳庵涼し 汗の玉太りひつつき流れたり 黒揚羽蜜を吸ふ間も翅ゆすり 本家長塀分家長塀日の盛り
色白は七難かくす水著かな 炎天を一目散の雀蜂 蜩や村を離るる森の道 蜩の響動す広さすべて寺領 養鱒池通年十度澄み渡り
虹鱒の虹美しや水も澄み おひろひの帰りは近し夏蕨 蟬声も谿狭まればいよよ濃く 草刈機唸りチャリンと音こぼし 凌霄花残んの朱をふりしぼり
ほのと顕つ獣の匂い藪茗荷 岸釣の浮子の小さきが玄人めき 合鴨の翼が育ち稲が熟れ ここの空にまだ用のある秋燕 千屈菜のその色ながら尽れそむ