主宰近詠(2015年11月号)

島のぐるり

小諸日盛俳句祭 五句

跪き囮鮎をぞねもごろに 囮鮎瀬のなかほどへ差し向けて 泉辺に子供のやうなワンピース 指のべて泉の面を崩したり どす黒く浅間の火あり黴の絵馬




簞笥売場の冷房がよく効いて

見渡して老爺ばかりぞ秋御輿

玉ひでに行列しづか秋日傘

島のぐるりや秋潮に入れ替はり

見づまりをはじめてをりぬ鰯雲




一茎に欠き痕いくつ花オクラ

青蛙のひたとたたみしふくらはぎ

響動して八割ほどが法師蟬

花の黄の人なつつこき落花生

熊蟬の声しやつしやつと削り出す



大岩山日石寺

千巌を糾ひて瀧すべるかな 白玉を沈めて鉢の水くもり 生垣をちらちら雨宿りの小鳥 芭蕉葉や雨にまんべんなく濡るる 水澄みて踝ほどを流れけり