日別アーカイブ: 2025年3月2日

句会・吟行会案内(2025年3月)

土曜
  • 日時/集合:3月8日㈯ 12:00  京王線・芦花公園駅(各駅停車)  改札口前  
  • 吟行地・兼題:世田谷文学館~都立蘆花恒春園(蘆花記念館・徳冨蘆花旧宅)~バス移動    
  • 句会場:世田谷区烏山区民センター会議室  (15:30締切 7句)  
  • 幹事/連絡先:宮川幸雄
渋谷
  • 日時/集合:3月13日(木)
  • 吟行地・兼題:厩出し、春障子  (新宿御苑吟行もあり)
  • 句会場:リフレッシュ氷川2階多目的室C  03-5466-7700  (14:00締切 7句)
  • 幹事/連絡先:櫻井耕一  財前伸子  
湘南
  • 日時/集合:3月16日(日)
  • 吟行地・兼題:長谷界隈・稲村ヶ崎など
  • 句会場:鎌倉学習センター  0467-25-2030  14:30締切 7句
  • 幹事/連絡先:橋本由美子  飯田美恵子  
タイドプール  (初心者対象)
  • 日時/集合:3月20日(木)  13:00 JR上野駅公園口改札前
  • 吟行地・兼題:上野  
  • 句会場:千代田区矢板ビル  03-3255-0471  (15:30締切 5句)  
  • 幹事/連絡先:林 美佐子
東京
  • 日時/集合:3月26日(水)
  • 吟行地・兼題:目黒・自然教育園      
  • 句会場:三州倶楽部2階大ホール   品川区上大崎1-20-27   03-3447-6776   (13:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先:渡邉美保   塩津孝子   
池袋  
  • 日時/集合:4月2日(水)
  • 吟行地・兼題:鮑・都踊      
  • 句会場:IKE・Biz としま産業振興プラザ  03-3980-3131  (19:15締切 7句)
  • 幹事/連絡先:前北かおる  
湘南タイドプール  
  • 日時/集合:4月3日(木)
  • 吟行地・兼題:夫婦池公園・鎌倉山ほか
  • 句会場:鎌倉教養センター(笛田)  0467-32-1221  (13:30締切 7句)
  • 幹事/連絡先:藤田千秋  原水和実  
名古屋  (4月)  
  • 日時/集合:
  • 吟行地・兼題:      
  • 句会場:
  • 幹事/連絡先:大山みち子  
福 岡
  • 日時/集合:    
  • 吟行地・兼題:
  • 句会場:
  • 幹事/連絡先:藤永貴之  

課題句(2025年3月号)

課題句「陽炎」	梅岡礼子 選

対岸の遊糸の解けし夕べかな		原 昇平
陽炎やタラップ車ゆつくり停まる

巻狩のありし裾野や陽炎へる		山本道子
陽炎に端といふものなかりけり		小沢藪柑子
陽炎の竿にやうやく中りくる		藤田千秋
陽炎やこんな処に山羊放ち		本井 英

雑詠(2025年3月号)

亡夫(ツマ)のジャケツ着て居心地良かりけり	小山久米子
穭田や植田のやうに生え揃ひ
物言はぬ口に一匙鶏雑炊
今日よりは一人と思ふ冬の朝

冬麗の空へユーカリ伸び上がる		児玉和子
夫けふは競馬へ勤労感謝の日		冨田いづみ
手の届く所に「い・ろ・は・す」と蜜柑	磯田知己
接木してからしのやうな薬かな		前北かおる					

亡夫(ツマ)のジャケツ着て居心地良かりかり  小山久米子

 季題は「ジャケツ」。『虚子編新歳時記』、『ホトトギス編新歳時記』ともに季題としての記載は無いが、内容的には寒い季節の上着としての認識は広く行き渡っており、季題として扱うことに抵抗はない。因みに『角川大歳時記』(二〇〇六年版)では「ジャケット」として掲出。傍題として「ジャケツ」・「カーディガン」・「ジャンパー」を掲げている。衣料の分野は殊に流行り廃りが激しく、季題の認定は難しい領域ではあるが、掲出句の場合はその「手触り」まで伝わってくるので、季題として充分な実感のあるものとして扱った。一句は「亡夫(ツマ)」とあることから、大凡の状況は察せられ、容易ならざる心の内も充分に推量出来る。大切なご主人を亡くされて暫く経って迎えた「冬」であろう。寒さを防ぐ爲に、久しく着る人の無かった「ジャケツ」に、なんとなく腕を通されたのだろう。永年見慣れた柄の「ジャケツ」を「着てみる」と、思ったより「重く」「暖かかった」。俄に「亡夫(ツマ)」の俤が蘇り、「心地良い」と思えたというのである。こうして俳句として「亡夫(ツマ)」を詠まれることが、どれほどご主人の供養になることか、拝読する方も心に感ずるものがあった。(本井 英)

主宰近詠(2025年3月号)

稽古会   本井 英

亡き人に待たるる思ひ去年今年

山裾に灯はありながら初明り

沖雲を脱ぎ捨て燦と初日かな

一湾に充ちわたりたる初日影

声失ひ笑顔ばかりの御慶われ

雪雫したたり止まず弓始

句に対す即ち仕事始めかな

思はずも更けまさりをり歌留多の夜

   (夏潮稽古会 名古屋 九句)    
焦げ色となり果て銀杏落葉たり

動く鴨動かざる鴨陣のうち


      (醒ヶ井)
竹林の(コウベ)垂るるも雪景色

梅花藻のなほ咲きをるに六花

      (桑名)
万太郎句碑の細字も春を待つ

釣堀に日脚伸ぶよと居並べる

きゆるきゆると目白来てゐる枇杷の花

     (常滑)
葛枯れて捨て陶の山あからさま

泉囁けば笹鳴和すごとし

寒林に絡みのたうち藤の蔓

水鳥の糞りたる白きもの浮かぶ

プードルのやうに呆けて蒲の絮