雑詠(2025年3月号)

亡夫(ツマ)のジャケツ着て居心地良かりけり	小山久米子
穭田や植田のやうに生え揃ひ
物言はぬ口に一匙鶏雑炊
今日よりは一人と思ふ冬の朝

冬麗の空へユーカリ伸び上がる		児玉和子
夫けふは競馬へ勤労感謝の日		冨田いづみ
手の届く所に「い・ろ・は・す」と蜜柑	磯田知己
接木してからしのやうな薬かな		前北かおる					

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