稽古会 本井 英 亡き人に待たるる思ひ去年今年 山裾に灯はありながら初明り 沖雲を脱ぎ捨て燦と初日かな 一湾に充ちわたりたる初日影 声失ひ笑顔ばかりの御慶われ 雪雫したたり止まず弓始 句に対す即ち仕事始めかな 思はずも更けまさりをり歌留多の夜 焦げ色となり果て銀杏落葉たり 動く鴨動かざる鴨陣のうち
竹林の頭垂るるも雪景色
梅花藻のなほ咲きをるに六花
万太郎句碑の細字も春を待つ
釣堀に日脚伸ぶよと居並べる
きゆるきゆると目白来てゐる枇杷の花
葛枯れて捨て陶の山あからさま
泉囁けば笹鳴和すごとし
寒林に絡みのたうち藤の蔓
水鳥の糞りたる白きもの浮かぶ
プードルのやうに呆けて蒲の絮