月別アーカイブ: 2012年4月

湘南タイドプール(英)

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17日、「夏潮」湘南タイドプール、「お試し句会」がありました。逗子駅集合。落花の田越川に沿って吟行。逗子小宅にて19名の俳句会が出来ました。来月は、第二火曜日8日に小宅で開きます。参加希望の方(初心者に限る)はご一報下さい。上の写真は小宅のビオトープ。落花の最中。同じ日の夜は東京で菱の実句会、写真は下。こちらはベテラン揃いです。

「夏潮 第零句集シリーズ Vol.8」 川瀬しはす『TKS』

「夏潮 第零句集シリーズ Vol.8」 川瀬しはす『TKS』~Tanoshiku Kyo-mo Susumoo~

 

 「夏潮第零句集シリーズ」。第8号は川瀬しはすさん。

しはすさんは、昭和四十三年生れ。慶應義塾大学在学中に教養課程の「日本語表現論」で本井英主宰に巻き込まれて俳句と出会い、「惜春」を経て「夏潮」に参加。お仕事などでお忙しく、一時俳句を中断されていたようだが、現在では「夏潮」に投句して頂いている。

 主宰の前書きにもあるとおりとにかく明るい方で、俳句もそのような前向きなエネルギーにあふれている。季題に対して前向きに、ご自分の主観をぶつけていられる俳句が目立つ。その一方表現としては言葉に無理をさせないよう、抑制されている。一部取り合わせが平凡と思う句も散見されたが、それはこれから沢山の俳句を残されていくに連れ洗練されていくことと思う。

 

マフラーのたてがみのごとバイク乗り しはす

 

 季題は「マフラー」。下五が「乗り」と動詞で扱われているので「自」の句として鑑賞した。

 バイクに乗ってかっ飛ばしている際に、自分のマフラーが棚引いている。それを馬の「たてがみ」のようだと表現された。冬の季節のバイクというのは風が冷たいものだが、この句の場合はそういうネガティブな部分は見当たらず、前向きに実に楽しそうな様子が浮かんでくる。空も素晴しい天気であったのだろう。

 

トラックに塩振るごとく霰振る しはす

 

 季題は「霰」。この句も楽しい比喩を用いている。霰が降るような時は、大概くらい雰囲気であると思うが、トラックの荷台にぱらぱらと降る霰を塩と見た。「塩を振る」と言われて見ると一気に光景が軽妙な感じられる。お仕事柄、納入に来た業者と搬入口で軽口を叩き合っているような景が勝手に浮かんだ。

 

『TKS』抄 (杉原祐之選)

風光る水銀柱は十八度

左義長の破魔矢の鈴焼け残る

マフラーを著しケロヨンの置かれあり

いやいやとそうそうと揺れ玉椿

蜻蛉生る峠の道は工事中

灯台の町は恋猫多き町

あたたかや下の歯生えて笑ひたる

マンションに囲まれてゐる盆踊

手術着の汗の行き場のたよりなき

建ち並ぶハイツにコーポ芝櫻

 

以下、川瀬しはすさんにインタビューを行いました。

Q: 100句の内、ご自分にとって渾身の一句

>A: 風光る水銀柱は十八度

渾身、というよりも捨身の一句。まだ俳句を始めて間もない頃の慶大俳句の富山合宿の帰りのこと。大先輩の故大島民郎さんと大阪に向かう列車の中で二人句会をするハメになり(失礼な話だが、その時初心者のワタシはホントにそう思った)、その場でとっさに作った句。しかしながら民郎さんはとても褒めてくださり、おかげで俳句を続けることができたと言っても言い過ぎではありません。もしかしたら俳句がイヤにならないように褒めてくれたのかな?ありがとうございました。合掌。

Q:100句まとめた後、次のステージへ向けての意気込み。

A:なるときはなるがよし。俳句を作り続けること。おいしいものを食べること。旅にも出ること。そうすれば人生の中で新たなステージがやってくるでしょう。でも来たチャンスは逃さないこと。

 

Q:100句まとめた感想を一句で。

A:四月馬鹿云ふも縁のなれとせん

Q:句集のタイトルの『TKS』について

A:検索サイトでTKSと入力すると何が出てくると思いますか?

1.AKB48の妹ユニット(地名は群馬県高崎市と思われる)

2.ソ連の宇宙運搬船

3.ありがとうのスラング、Thanksの略

4.TaKarazuka-Shi

5.Takahama-KyoShi

本当に検索して出てくるのは2です。地味に活動していた縁の下の力持ち的な宇宙運搬船だったそうです。あとがきにも書きましたが、俳句のどこかを担っていきたいという思いとシンクロして、いいタイトルになったなー、と考えています。

相模原市在住のモモエさんからは、何故TKSというタイトルだったの?との質問がありました。私の正解は、3の気持ちに、1の時代性をかけた、です。

誰も正解はなかったと思います。3も本当にそう言うのか?というと間違いかもしれず、自信はありません。

早速使おうと思ったアナタ、恥をかいても私のせいにしないでください。ただ、ロンドン在住が長かった方のメモにTKS!と書いてあったのは事実です。

後付けで4(住んでいる)5(夏潮といえば!)も考えてみましたが、5あたりは本井先生にシバかれそうですね。

あとイロイロ考えてみました。「タカシ」(誰やねん)「タケシ」(前のとかぶってるでー)「高島屋」(勤めてる会社違うし←石川陽一郎先輩ゴメンナサイ)「T食べるK食うS寿司」(富山に行くとまさにこんな感じ)「T止まらずK転ぶSスキー」(富山に行くとまさにこんな感じ)「TタカハシKかっ飛ばSせー」(ちょっと苦しい。高橋由伸今シーズン大丈夫か)「TタイガースK勝ってS三位」(また野球でかぶった。クライマックスシリーズには出れます)。

オチはこのあたりでいかがでしょうか。「T足りないK川瀬Sしはす」これにて失礼いたします。

花鳥諷詠ドリル ‐主宰の句評‐ 第21回 (平成17年5月13日 席題 蛞蝓・橡の花)

伐採の青葉の香り道包む
季題は「青葉」ですね。伐採は間伐でもいいんですが、何かのことで、青葉の茂っているのを伐ることになった。チェーンソーの音がして、道の辺りに、葉がついたまま枝が盛り上がっている。そんな所を歩いたところが、その香りが道全体を包むようにあった。ということです。元の句、「伐採の青葉香りて道包む」。これだと、青葉が道を包むことになる。香りが道を包むんでしょうね。そうすると、掲句のように「伐採の青葉の香り道包む」としないと、句としては成り立たないですね。
麓なるつつじの色へ下りけり
つつじの色というのは、何も一色ではなくて、いろいろの色があるんだけれども、目が痛くなるような赤い色ってのがあるんです。外の花にはなかなか無い色なんですけれど、つつじの最も特徴的な色でしょう。小高い丘から下のつつじの方へずっと降りてきた。それはつつじへ降りるというより、つつじの色に降りていくような感じがしたということで、霧島とかの高原の感じでもいいし、 どこか植え込んだ六義園とかの築山を見るのも構わない。あるいは小石川の植物園の上から下へ降りてくるのも、こんな感じがしますね。そんな心楽しい句だと思います。
平均台のやうに茎来し天道虫
元の句、「平均台のやうに草来し天道虫」。『葉』だと平均台という感じがしない。茎だと、なるほど天道虫の腹より茎の方が狭いことがありそうで、平均台という比喩が生きるでしょうね。
牡丹描いて牡丹見ている昼下り
ちょっと感じがある句ですね。牡丹が咲いたので、牡丹を描いてみましょうというので、描き始めた。しばらくして描き上がってもいいし、途中で描くのを止めて、他のことを考え始めてしまって、手は止まったままで、牡丹を見ていた。描き上がったわけではないが、描く気持ちではなくなって、ほかのことを考えながら、牡丹を見てしまったという方が、句としては、深いかもしれませんね。元の句、「牡丹描き牡丹見ている」。これだと、説明っぽくなってしまいますね。「牡丹描いて」と字余りになさった方が、この句はかえって生きるかもしれません。
湯気もまた緑色なす新茶かな
ちょっと出来過ぎている。湯気が本当に緑色かというと、そんなことはないんで、湯気の下にあるお茶の緑が映えて、湯気もそんな感じに見えたというんでしょうけれども、それを強引に「緑に見えます。」と言った潔さもいいのかもしれません。でも若干危険分子を含んでをりますね。
葉桜のたはむるるごとそよぎをり
元の句、「たわむれるごと」。「たはむるるごと」でしょうね。「たわむれる」は口語ですね。「たはむるる」は文語。なるほど花の咲いている時に、揺れていると、『戯れる』という感じより、「まあ、散っちゃったら、どうしよう。」なんて言う方に、人間の気持ちが行ってしまう。葉桜だと、よほど風に吹かれても、現金なもので、安心して見ていて、まるで『戯れているようだな。』葉裏と葉表に、若干の色の違いが、それほどけざやかではないんだけれども、出てきて、面白いですね。葛の葉みたいに表と裏の色が全く違うというと、もっともっと違う印象になりますが、でもこの葉桜の気分がよく出ていると思います。

句集『TKS』を読んで~稲垣秀俊

 句集『TKS』を読んで~稲垣秀俊

川瀬しはすさんは昭和43年生まれ、俳句を始められたのが昭和63年で、以後本井主催に師事されている。

川瀬さんの句は、下に挙げるように平明かつ明朗で、写生句の王道といった感じがある。先に評を書かれた本井主宰も矢沢六平さんもその点を指摘されている。句の明るさは、川瀬さんのお人柄はもとより、テーマの選び方と観察の正確さに因るものであろう。

         成り揃ふ小茄子中茄子砂地畑

      左義長の破魔矢の鈴が焼け残る

              蜻蛉生る峠の道は工事中

 

以下はまだ他の方が評されていない句に触れていく。

 

              造園夫五六人ゐて春めける

 植え替えシーズンを迎えて活気が出てきた造園屋の風景であろうか。造園夫にしか触れられていないが、春めくという季題によって、周囲に植えられている木々の活力溢れる様子まで想像できる。

 

              汗したヽる顎頬骨と団子鼻

 顔のパーツを下から並べていくことで、仰角のある顔面が迫ってくるような効果が出ており、汗のしたたる暑苦しさを表現している。その雰囲気はまるでKING CRIMSONのジャケット画のようであり、顔というよりは肉塊に近い油っぽさを感じる。

 

              建ち並ぶハイツにコーポ芝櫻

 新興住宅地の植え込み、あるいはちょっとした公園に芝桜が咲いている様を写生した句である。味気ない住宅と、管理の行き届いた植え込みと、植栽された芝桜。どこをとっても人の手が入っていて小奇麗であり、一見俳句にし難いようにも感じるが、こうした人工的な景にこそ芝桜の本情があるように思う。

 

              うねるやうな宿の畳や菜種梅雨

 菜種梅雨は3月下旬から4月にかけて降り続く雨のことである。私にはまだ使いこなせない季題であったので、この句は大変勉強になった。

畳がうねっているくらいであるから、それなりに古い宿である。またそのうねりに気がつかれた川瀬さんは少し寛いでいらしたのであろう。古宿に何をするでもなく休んでいるという景と、梅雨や秋黴雨とは異なる菜種梅雨のデカダンな感じが相俟って独特の空気が醸成されている。

 

稲垣秀俊

湘南吟行会(英)

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今日の吟行会はJR根岸線本郷台に近いいたち川でした。桜もやや咲き残り柳の青が目に沁みる日和でした。吟行会は自分では見かけなかったものでも、仲間が写生してくれたお蔭で、さまざまの物に間接的にも出会えて幸せな気分になれます。どうか皆さんもご一緒にお楽しみ下さい。飛び入り参加も歓迎です。