季題は大根干すで冬季題。海近い場所に大根が干されている。冷たい塩風の中で、良い具合に仕上がっている。大根はもちろん潮風でなくとも干しあがるのだが、こう言われると、塩味が効いていそうで、うまそうでるある。
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稽古会前夜 (泰三)
夏潮稽古会が近づいてまいりました。その前日28日(水)に前夜句会を持ちたいと考えております。前日に福岡入りする方は、ご連絡頂ければ幸いです。
イワン・デニーソヴィチと一ト日落花生 茂之 (泰三)
まだまだ寒い日が続いております。いかがお過ごしでしょうか。
落花生は、秋の季題。虚子の句に
落花生喰ひつつ読むや罪と罰
があるが、この句は、落花生を食べながら、『イワン・デニーソヴィチの一日』を一日中読んでいるという句。落花生は、読書のお供に持ってこいの食べ物だ。この小説には、淡々とイワンの一日が描かれている。長い時間『イワンの一日』を読んでいるうちに、あたかも「イワンと一ト日」を過ごしているように感じた。特徴的な小説の原題を上手く使って一句に仕上げた句である。博識な作者ならではの句だと思う。
水引のもつれやすくてとけにくく 桂子 (泰三)
新年会では、娘発熱のため、宴会に出られず誠に残念な思いをしました泰三です。まだまだ寒い日が続いておりまして油断大敵ですね。皆さんはいかがお過ごしですか。
季題は、「水引」で秋。すういと伸びた茎にぽつぽつと紅色の花がついている。その花のおかげでこの句に言われいる通り、お互いもつれ合ったりしている。引き離そうとしても、花が引っかかり、まことにとけにくい。生け花か何かしているのだろうか。思い通りにならない「水引」が何ともいとおしい。
無花果の乳したたらせもがれけり さえ (泰三)
会う人会う人に「太ったね」と言われる泰三です。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
季題は、無花果(いちじく)で秋。何とも特徴のある形をしている。しかし、この句は、形については何もかたらない。もがれるとき、乳の如き汁がしたたっていることを述べているだけである。ただ、無花果から出てくる汁を「乳」と言い切ったことで、無花果の乳房の様なあの形までも読者に連想させる。「乳房の如き」と言った形を直接描写する表現を避け、季題を見せることに成功している巧みな句である。