まだまだ寒い日が続いております。いかがお過ごしでしょうか。
落花生は、秋の季題。虚子の句に
落花生喰ひつつ読むや罪と罰
があるが、この句は、落花生を食べながら、『イワン・デニーソヴィチの一日』を一日中読んでいるという句。落花生は、読書のお供に持ってこいの食べ物だ。この小説には、淡々とイワンの一日が描かれている。長い時間『イワンの一日』を読んでいるうちに、あたかも「イワンと一ト日」を過ごしているように感じた。特徴的な小説の原題を上手く使って一句に仕上げた句である。博識な作者ならではの句だと思う。