投稿者「管理人」のアーカイブ

課題句(2021年11月号)

「切干」  浅野幸枝 選

切干を干して留守らし日陰りて		岩本桂子
不揃の大根切干ふぞろひに    

切干や谷戸の日差のすぐ陰る		児玉和子
切干に「小さな旅」のメロディーが		前北かおる
切干の日の温もりをかきまぜる		北村武子
切干の干しはじめ目にしみる白		本井 英

夕菅に低く流れて湖の霧  山内裕子

 「夕菅」は「黄菅」とも呼ばれるユリ科の多年草。高原などに自生するが、いかにもロマンチックで夢見るような淡い黄色が印象的だ。たしか立原道造に「ゆうすげびと」という、いかにもナルシストが書いたような詩があった。さて一句は高原の夏の夕暮れであろう。あたかも「夕菅」がその名にふさわしく花開く時分。湖面にうっすらと漂い始めた「霧」が湖畔の野原へと流れはじめ、「夕菅」の黄色を隠しはじめたのである。一句の眼目は「低く流れて」のリアリズム。実際にそうだったのだと言ってしまえばそれまでだが、高原の「湖面」にうっすらと漂い始めた「霧」は、たとえば山の頂から勢いよく流れ下ってくる「山霧」とは趣を異にする。「山霧」に男性的な、あるいは野性的な勢いがあるとすれば、「湖の霧」には優しさ、あるいは女性的(この言い方は近年赦されなくなってきているが、あえて)な繊細さ、細やかさが感じられる。湖面に僅かばかり残る暮れ方の微光が夢のように眺められる。(本井 英)

雑詠(2021年11月号)

夕菅に低く流れて湖の霧		山内裕子
夕菅に山小屋の灯の零れをり
川茶屋の梁に蠅取紙吹かれ
千羽鶴梅雨湿りして地蔵堂

島の子に手をひかれつつ夜光虫		冨田いづみ
風に乗る芋殻の火の粉発たれしか	前田なな
夕菅の島の小径を桟橋へ		梅岡礼子
駒草に吹き下ろす風火山から		小沢藪柑子

主宰近詠(2021年11月号)

やあと握手を    本井 英

黒揚羽臭木咲くよと踏み入れば

落花生の黄花に風のゆきわたり

コンビニの裏山の蜩の声

瞑りてをれば蜩さらに寄す

信長の首塚といふ蜩に



咲きつらね高砂百合の名を得たる

半夏生の実とよつぶつぶ熟れ下がり

楢枯の背景の秋空ふかし

楢枯をかなしかなしと蜩は

飛ぶ羽の色油蟬みんみん蟬



稲の穂のかしぎそむるを風わたる

秋水のたち騒ぎあり渡渉点

秋川を黒部五郎の見送れる

秋川の海への旅のいま始まる

秋水に貼りつくやうに映る峰



紫のその明るさに紫菀かな

紫菀咲けば「やあ」と握手をしたきかな

小諸想ふ庭に紫菀を咲かせては

訃報ひとつ紫菀の庭に届きたる

雲映すあたり白さよ秋の潮

句会・吟行会案内(2021年11月):遅れて申し訳ありません。

◇句会・吟行会案内
地区
日時/集合
吟行地・兼題
句会場
幹事/連絡先
池 袋
11月3日(水)
蘆火・珊瑚草
東京芸術劇場

03-5391-2111

(19:15締切 7句)
前北かおる

 
湘南タイドプール

(初心者対象)
11月4日(木)

 
夫婦池公園、鎌倉山ほか

 
鎌倉教養センター

(笛田)

0467-32-1221

(13:30締切 7句)
羽重田民江

 

原水和実

 
名古屋
11月7日(日)

10:30
熱田神宮周辺

 
未定

(13:30締切10句)
大山みち子

 
土 曜
11月13日㈯

最寄り駅・西武池袋線
石神井公園駅

集合はありません。
都立石神井公園界隈
・随意吟行
練馬区立
石神井公園

ふるさと文化館多目的会議室

03-3996-4060

(14:30締切 7句)

締切注意

13:00より会場使用可
宮川幸雄

 
渋 谷
 
 
 
櫻井耕一

 

前田なな

 
タイドプール

(初心者対象)
11月18日(木)

13:00

上野文化会館前
上野
千代田区矢板ビル

03-3255-0471

(15:30締切 5句)
矢板けん梓

 
湘 南
11月21日(日)
龍寶寺、
日比谷花壇
大船フラワーセンター
玉縄学習センター

0467-44-2219

(14:00締切 7句)
園部光代

 

藤田千秋

 
東京
11月24日(水)
池田山公園
三州倶楽部
2階大ホール地下和室

東京都品川区上大崎1-20-27

03-3447-6776

(13:30締切 7句)
山本正紀

 

河村雅子

 
福岡
 
 
 
藤永貴之

 
  ※会費はいずれも1,500円(学生500円)です。 ※どの句会もどなたでも自由に参加できます。 ※不在投句をご希望の場合は、幹事とご相談ください。(要会費)   ◇ 句会・稽古会の最新情報や誌面締切後の変更については,夏潮ホームページでご確認ください。