主宰近詠(2015年6月号)


遠きはお俠   本井 英

(ユカ)にうねり止まざる裸押

(キザハシ)をなだれ落ちたり裸押

救急隊割り込んでゆく裸押

端正に有職雛はやや地味に

小さきほどさらに楽しや雛調度



煽られて鳶ののけぞる春疾風

葉牡丹の茎立ちそろひロンドめく

膝小僧寄するばかりや春炬燵

耕人にいつまで低く夕日かな

貝母なほ上向く蕾ありながら



どうど坐しわが身ほとりの犬ふぐり

鶯の遠きはお俠近きは艶

尾を止めて蝌蚪の着底しづかなる

萌えてもう浜昼顔の葉のまろし

蘆の角水のもつれも見えながら



蘆の角生活(タツキ)の水も流れそひ

穂は呆け袴は蕩け土筆たり

ほころびて褒められて朝桜かな

春蘭の一 叢を風跨ぎ越ゆ

日本間も幾間かありて花の館