画然と黄花白花すひかづ  藤永貴之(2014年6月号)

 季題は「すひかづら」、「忍冬の花」である。蔓性であちらこちらに纏わりつきながら、初夏、香りの高い純白の花を付ける。その純白の花が間もなく黄変して「金」とも見えるので、新しい花の「銀」と対応させて別名「金銀花」とも呼ぶのである。

 一句の詠んでいるのも、まさにそこで、「黄花」は黄色、「白花」は白とはっきり区別のつくことよ、とあらためて見入っているのである。一見、季題解説だけのようにみえながら、「画然と」と打ち出したところに季題に対する讃美の心が真っ直ぐに出ていて好感が持てる。  (本井 英)

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