生きてゐるごとく寒気の這ひ来る 六平 (泰三)

 季題は「寒気」で冬。寒気は、皮膚と言った五感で感じるものであり、実体はない。作者は、実体が無いものを「生きてゐるごとく」に感じたという。目には見えないが確かに存在する、そこに逆説的に「生」を感じたのだろう。

 更に「這ひ来る」という描写も擬人化された寒気が、足下や首筋にやってくる様子にぴったりだ。首筋当たりに寒気が来ると、確かに後ろからこっそりと近づいてきた誰かの冷たい手に触られたような感じがするものだ。

 

 

生きてゐるごとく寒気の這ひ来る 六平 (泰三)” に1件のフィードバックがあります

  1. ろく
    さうなんです。信州は…、とりわけわが家屋は、とっても寒いんです。うう…。ろく
    返信

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