久しぶりに汐まねきを更新します泰三です。新年度は本当に忙しいですね。こき使われる毎日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
季題は、木枯。冬の初めに吹く強い北風である。木枯が吹いてきたその頃、喪の葉書が届いたという。虚子の句に「風が吹く仏来給ふ気配あり」という句があるが、私たちは、「風」の中に「霊」を感じるものである。余談であるが、新約聖書が書かれたギリシャ語「プネウマ」、旧約聖書が書かれたヘブライ語でも、霊を表す「ルーアッハ」という語は、いずれも本来「風」「息」という意味を持つ。
この句では、もろん作者のもとに届いたのは、一枚の葉書である。しかし、作者は、木枯の中にあたかも最後の挨拶に来てくれたように、亡くなられた方を感じたのではなかろうか。