雑詠(2012年1月号)

ちぬ釣つて而して椀の鯛の鯛	青木百舌鳥
大厄日に耐へたる椎を仰ぎけり
やはり風に倒れをりたり吾亦紅
かまきりに牙と舌あり鎌舐むる

虚子は花杞陽は月よ月恋し 岩本桂子 梨狩りのバス農道をぎりぎりに 酒泉ひろし あざやかに流れきつたる星ひとつ 山内裕子 都府楼址とふ立体に風花す 藤永貴之