おしろいの雨に打たれるだけ打たれ 公子 (泰三)

  寒い朝でしたね。自転車通勤の私は、ぶつくさと文句を言いながらの通勤でした。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

  季題は、「おしろい」で「白粉の花」のこと。夏の花で、日中は閉じているが、夕暮れ時に花を開く。

 夕立であろう、激しい雨が降っている。その雨に白粉の花が打たれている。水仙のような冬の花が、「雨に打たれるだけ打たれ」ていたら、淋しくて、何ともやるせないのだが、この句は夏の元気な白粉の花の句である。打たれるだけ打たれてもちっともへこたれない、むしろ雨を喜んでいるかのようにも見える。

そして、「おしろいの雨に打たれてをりにけり」だとただの報告。「打たれるだけ打たれ」とすることによって、雨の激しさ、そして白粉の咲きざまが見事に表現されている。

 

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