主宰近詠(2025年6月号)

走れば速し   本井 英

ホルスタイン走れば速し草芳し

犬ふぐり腰高に咲くあたりかな

底砂に水馬の影の五ツ紋

栗鼠跳んで小枝の古巣揺るるかな

雉鳩のひんと翔び去り花埃

鎌倉や挙げて灌仏日和かな

ポリタンク甘茶の色の透けてをり

万太郎句碑や悪所の花の昼

今朝の佳きこと初燕見たること

真間寺や寺領こぞりて花を吹き
江戸までの水路ありきと草朧

杉菜長けすかんぽさらに長けまさり

牡丹のおむすびほどの蕾かな

花了へて貝母の裾辺黄ばみ果て

蕗原のふかぶかとしてきたりけり

畦塗機水の補給も肝要な

畦塗機指南美直(ヨシナオ)老やさし

宿木も若葉そなへてそれとあり

虚子庵の紫菀ぞ草若葉なせる

筍の踝ほどな膝ほどな

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