橡の実のぱつかと割れて転がれる 山本道子 空ラの胴と翅を遺して蟬骸 仙人草剣ケ峰より富士現れて 蟬時雨森を出づれば墓所のあり チーチチとチチと遠のき囀れる 信野伸子 まはりこみ鶺鴒恋の羽ひろぐ 藤永貴之 戸田芝の穂の紫に冬の雨 児玉和子 一点の色は翡翠冬の雨 天明さえ
雑詠(2023年3月号)
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橡の実のぱつかと割れて転がれる 山本道子 空ラの胴と翅を遺して蟬骸 仙人草剣ケ峰より富士現れて 蟬時雨森を出づれば墓所のあり チーチチとチチと遠のき囀れる 信野伸子 まはりこみ鶺鴒恋の羽ひろぐ 藤永貴之 戸田芝の穂の紫に冬の雨 児玉和子 一点の色は翡翠冬の雨 天明さえ