どつさりと高く黄色く棕櫚の花  原 昌平

 季題は「棕櫚の花」。まことに特徴のある「花」であるが、また一方、俳句を詠むようになるまでは、なかなか気が付かない「花」でもある。全体、様子の変わった樹木で「毛むくじゃら」の幹などは鐘を撞く撞木ぐらいしか使い道もなさそうだ。そして「花」ははじめグロテスクな黄色い「舌」のように頂きから垂れ下がり、ぼろぼろと粟状の小花を咲かせる。そんな「棕櫚の花」を「どっさりと」と形容した視点はまことに的確で、「量感」「質感」ともに表現しえて「妙」というべきであろう。決して派手な句ではないが、誠実な写生の眼差しが捉えた「ひとつの景色」である。(本井 英)

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