主宰近詠(2022年7月号)

おへそが見えて   本井 英

牡丹の蕾緑を湛へそむ

高架線ホームにありて花の昼

鯉沈むとき花筏巻きこめる

クロネコのリヤカー便や雪柳

花曇ウエットスーツ干しつらね



寝ころんでゐる老人も磯あそび

葉牡丹の長じてつひひに咲けりけり

一身を煽りて海月ややすすむ

智恵貰玉虫色の紅さして

山繭や常念坊も姿消し



娘さんのおへそが見えて蝶の昼

八重桜雨にほとびて揺るるなく

すまり咲く山椒の黄の静かさよ

岩煙草あつかんべえと若葉垂れ

方丈に隣る典座の遅桜



茶を啜る音の大きく蓬餅

員数のととのひたりし蔦若葉

ボクシングジムの四隅の扇風機

山吹の蕚幾十散り残り

枝の蛇日のぬくとさに身じろがず

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