野に咲けば 本井 英 春めくや釣堀からも人の声 初島も見ゆ梅の坂登りきり 薄埃かうむりながら蜷すすむ 八橋に屈めば蜷の道真下 蜷の道ひき返すことあるべしや
蜷の髭短きことも愛らしく 雨吸うて土たのもしや名草の芽 春眠へいま堕ちてゆく五体かな 春眠の甘さ瞼になほ残り 蔦の影たどれば蔦の芽の影も
浜へ川細り浜大根の花 野に咲けば野の明るさに福寿草 極楽洞とよ春の闇蟠り 巣作りの鴉や甘き声こぼし 蕾そろそろ二輪草畳なし
浜へ川細り浜大根の花 野に咲けば野の明るさに福寿草 極楽洞とよ春の闇蟠り 巣作りの鴉や甘き声こぼし 蕾そろそろ二輪草畳なし