島定食 本井 英 ゆるゆると春立つメンデルスゾーン 春が来ましたと河面を上る浪 きつぱりと立春といふ言葉あり 紅梅の咲けばにはかに紅うすし その後の敷島の道実朝忌
焼き玉の音へと春の丘下る 春の水よぢれほぐれて囁ける 蜷の道流れ横切るとき太し 蜷が身をゆするたび砂ながれけり 蜷に髭ありて見えたり見えなんだり
浜芝に襁褓換へをりあたたかし 歌枕いくつたづねて三千風忌 三千風忌修することも愉しさに コンビニといふもののなく島の春 磯遊にはあやにくのけふの風
海坂の裏には春の島いくつ 春の日をあびて磯鵯男伊達 壺焼を副へて島定食となん 花アロエ鮑の殻を灰皿に チューリップ寄せ植ゑにしてさらに愉し
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