抱かれたる子猫瞬きせずに鳴く   櫻井茂之

「子猫」が春の季題である。ホトトギス編『新歳時記』では「猫は四季に孕むが、ことに春がいちばん多い。発情後約二か月で、三、四匹の子を産む」とする。筆者も近年子猫二頭に癒される日々を送っているが、言葉も通じないために「ミャア」と鳴かれると、切ない気分にさせられる。「抱かれたる」は「誰に」とは書かれていないが「自分」ではない。自分なら「抱き上げし」、「抱きとれば」とするのが自然。となると誰か他人が抱いている子猫に顔を近づけたのであろう。「瞬き」もしない子猫の眼が作者の眼とほぼ同じ高さにあるというところが、一句の味わいどころである。子猫の透き通った、円らな瞳がクローズアップされる。(本井 英)

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