日盛のはちきれさうな機体かな  前北かおる

 季題は「日盛」。「機体」は航空機のそれ。したがって真夏の空港での所見ということになる。作者の心に浮かんだ言葉は「はちきれさう」という一語のみである。実際、音に出して「は・ち・き・れ・さ・う」と言ったかどうかは判らないが、ともかく作者の眼前の景色、大きなガラス張りの窓の外の、コンクリートと「日盛」の日差しと、旅客機の機体の形状に対して、作者は「はちきれさう」という一単語で応じたのであった。

 旅客機の機体について詳しいわけではないが、例えば昔懐かしい「Y11」の機体を思い出してみても、あるいは一世を風靡した「ジャンボ機」を思い出してみても「はちきれさう」という形状とは違っていた。ところが近年目にする旅客機の幾つかの、特に前方部分には「はちきれさう」という、「パンパンに膨らんだ」印象がある。それだけのことであるが、こうした小さな発見を通じて「空港の日盛」が伝われば、これで「俳人」としての役目は全うしたことになるのである。 (本井 英)

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