主宰近詠(2019年7月号)

磯遊  本井英

一病を養つてをる朝寝かな

朝桜くまなく照らし出されたり

春昼や木魚の音のゆるみ止み

猫駆ける音のをちこち花の館

渚まではみ出して蝶舞へるかな



磯遊パンツは疾うに濡れほとび

尼さまも足袋を脱がれて磯遊

英霊の叔父さんのこと磯遊

母さんの匂ひのタオル磯遊

復活祭の御堂やいまも畳敷き


六義園 

庭の春にはかに山路めくところ つつがの身ながら今日あり葱坊主 はるかなる海を見届け遅桜 デニム屋に木香薔薇の咲きさかり 熊蜂の浮かびをりけり弾けけり



羅生門かづらしやべりづめの女

青大将をるやいつものいぼたの木

貝母の実とはかくかくや触れてもみ

水芭蕉の倒れし白を水跨ぐ

海月大人よろづてきぱきとは行かぬ
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