素通りす 本井 英
口論の収拾つかず行々子
粟津 義仲寺二句
蟻の道翁の墓を素通りす
蚊の闇にかけつらねあり俳仙図
鎌首をもたげ玉巻く葛ぞこれ
紫陽花や素人塗りに白ペンキ
つぶつぶと肥えていよいよ枇杷の色
花菖蒲へカメラの腰のかがみゆく
釣堀に並べビールの通ひ箱
釣堀やおもむろに解く竿袋
釣堀の手洗ひに吊る網
石鹸
織機の音あふれ出てくる網戸かな
長けぬれば余苗にも志
二羽で来て泥啄ばみてつばくらめ
いたち川木下闇へとさしかかり
花片 の尖のさみどり浜おもと
どつちから見ても正面立葵
青柿の四角く太りはじめたり
雪渓の駆け込んでゐる樹林かな
雪渓の口のへの字を覗き込む
青蘆を分けきて我をいだく風