「夏潮」虚子研究号発刊の辞 本井英
小誌「夏潮」も平成十九年八月、創刊以来四年を経過しました。ここまで何とか無事に刊行することが出来ましたのも、ひとえに先輩、同輩諸氏の心強いお力添えのお陰と感謝しております。
今まで何度も書いて参りましたが、「夏潮」は高濱虚子の文学を敬し慕う俳誌です。虚子を学び、虚子の求めた境地を求めることが「夏潮」の使命と考えております。このことは毎月の「夏潮」の誌面に反映されていると自負もしております。しかし、毎月の、限られた頁数では纏まった研究を掲載することは甚だ困難です。このことは創刊当座から予想されたことで、いずれは「研究」を主にした「別冊」を刊行したいと考えておりましたし、何人かの方にはお声をかけて、最近のご研究をご発表下さるようにお願いして参りました。
そして創刊五年目にして、やっと「夏潮 別冊 虚子研究号」発刊に漕ぎ着けました。
今後、「夏潮」本誌とは別に、年に一冊のペースで、「別冊虚子研究号」を刊行して行ければと考えております。また虚子文学の研究に興味のある方、志のある方なら、「夏潮」誌友に限らず、どなたとでも共に虚子研究に励みたいと存じます。ご一読の上ご意見ご感想など賜れば幸甚ですし、もう一歩進んで、日ごろのご研鑽の成果をご寄稿いただければ、これに勝る幸せはありません。
なお今後、でき得る限りは「非売品」として多くの方にお配りしたく存じておりますが、そうも行かぬ事態が訪るるやも知れません。そうなりました節には何卒よろしく、一段の応援をいただきたく存じます。
目次
一、 虚子の子規追善 井上泰至 2 二、 「虚子の書簡」から 栗林圭魚 12 三、 虚子連句私解 大島富朗 20 四、 「白露物語」基礎研究 前北かおる 32 五、 新出資料、虚子「三畳と四畳半」自筆原稿から 本井英 46 六、 記念館だより
ISBN978-4-939116-80-3 C0092
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