日別アーカイブ: 2025年2月4日

雑詠(2024年7月号)

たんぽぽの丈の低さも浜の宿	山内裕子
温室に雨の音聞く椄木かな
生徒の名つけて椄木の鉢並び
一日を草に座りて諸子釣

春泥につなぎたる手を離しけり	飯田美恵子
ギプスより出づる指先春寒し	田中幸子
街路樹の根に捨ててある花氷	藤永貴之
通りますと軽トラ通る春の泥	山口禎子

主宰近詠(2025年1月号)

雪国の殿様   本井 英

お塔婆を書いて並べて万年青の実

雪国の殿様たりき杞陽の忌

円山川文明のこと杞陽の忌

テニスが好きでスキーが好きで杞陽の忌

ディズニーの手前の舟は鯊釣るにや

寒々と鴉罠建つ疎林かな

血の色の烏瓜かな冬に入り

半島や大根畑平らけく

凩が堆肥舎をゆるがせる音

凩に湖面ささくれ立つてをり


本郷に金魚坂あり一葉忌

つはぶきの黄の日向なる日陰なる

原木と呼ばるゝ茶の木花盛り

塔頭のこゝにありきと茶の咲ける

枯蟷螂ゆるるゆるると日表に

枯れ残る眼みどりにいぼむしり

鳰きびしよの如し潜くなく

万両の実のあをあをも良からずや

真葛かな仰がるゝ覗かるゝ

落葉径ほとびわたりて香りけり